体臭は治療できる?病院で治せる体臭と治療法

自分の体臭が気になり出すと、日常生活に困難を感じるようになるものです。「周囲に臭いと思われそうで外出がつらい…」なんて状態では、健全な生活は送れません。 もし、ご自身の体臭を改善したいなら、病院で治療について相談するのが得策です。そう、体臭は病院で治せる場合があるのです。病院で治療できる体臭について、本文で学んでみてください。

病院で治療できる体臭(1)わきが

治療できる体臭の代表的として、わきが(腋臭症=えきしゅうしょう)があげられます。わきがの原因や治療法について、詳しく見ていきましょう。

わきがのにおいとメカニズム

わきがのにおいは、“スパイスのようなにおい”や、“雑巾のにおい”などと形容されます。いわゆる“汗臭さ”とは異なり、わきがのにおいは独特です。もし脇の汗臭さが気になっているなら、原因はわきがではなく、後述する「多汗症」かもしれません。

わきがのにおいは、「アポクリン腺」と呼ばれる汗腺から分泌される汗が原因で生じます。汗腺にはアポクリン腺のほかに「エクリン腺」がありますが、こちらから出る汗はわきがの原因とはなりません。 エクリン腺から分泌される汗は、出たての状態であれば無臭です。一方、アポクリン腺から分泌される汗は、脂肪酸や尿酸、アンモニアなどを含むため独特のにおいがあります。

わきがにお悩みの方は、生来的にアポクリン腺が多いと考えられます。遺伝的にアポクリン腺が多いため、独特の汗のにおいが生じているのです。なお、わきがは体質によって生じるものであり、病気ではありません。

わきがの治療は何科?

わきがの治療は、皮膚科や美容外科、形成外科で受けることができます。全国の有名クリニックのほか、大学病院で治療を受けることも可能です。

病院で行われるわきが治療

わきがの治療方法は、現在までに多数考案されています。その中でも代表的なものといえるのが、「ボトックス注射」と外科手術です。 ボトックス注射は、交感神経の働きを抑制する「A型ボツリヌス毒素」を注射する治療方法です。ボトックス注射で交感神経の働きを弱めることで、汗の分泌が抑制されてわきがのにおいがおさまります。ただし、ボトックス注射の効果は、6〜12ヶ月程度しか続きません。

わきがの外科手術には多数の方法がありますが、代表的なものといえるのが「剪除法(せんじょほう)」です。剪除法は、脇の皮膚を切開して裏返し、ハサミで汗腺を除去する手術。わきがの原因を元から取り除くため、術後に症状が再発することはありません。

 

病院で治療できる体臭(2)多汗症によるにおい

先に触れた「多汗症」のにおいも、病院で治療できる体臭の1つです。多汗症のメカニズムや治療法をチェックしてみましょう。

多汗症の症状とメカニズム

多汗症は、文字どおり汗の分泌量が増える疾患です。わきがとは異なり、多汗症の汗はエクリン腺から分泌されます。

先に解説したように、エクリン腺から出た汗は、分泌された時点では無臭です。しかし、分泌してから時間が経つと、細菌が繁殖するため“汗臭い”状態になります。 多汗症の現れる部位は、人によってさまざまです。とくに発症しやすい場所は手のひらで、症状が重いと滴り落ちるぐらい汗が出る場合があります。

多汗症は、発症原因もさまざまです。感染症や神経疾患に合併して生じる場合もあれば、「原発性」といって原因がわからないケースもあります。

多汗症の治療は何科?

多汗症の治療は、わきがと同様に美容外科や形成外科、皮膚科で受けられます。わきが治療に対応している医院であれば、多汗症についても相談できると判断してよいでしょう。

病院で行われる多汗症治療

病院で行われる多汗症の主な治療方法は、「外用薬の塗布」「薬物療法」「外科手術」の3種類です。これら治療法に加えて、ボトックス注射が行われる場合もあります。

多汗症の治療では、まず外用薬の塗布が試されることが一般的。塗布する薬品は、塩化アルミニウム液です。この薬品には、汗の分泌を抑制する効果があります。

薬物療法では、胃潰瘍の治療薬が処方されます。胃潰瘍の薬がもつ、発汗を抑える作用を利用して、多汗症の症状を抑えるのです。ただ、この治療法を行うと、軽度の便秘や脈拍の異常といった副作用が生じる場合があります。

外科手術は、手のひらで生じる重度の多汗症に対してのみ実施されます。手術法の名称は、「胸腔鏡下交感神経節遮断術」。電気メスがついた内視鏡を使って、交感神経を遮断する手術です。手術は全身麻酔で行われるため、入院が必要です。

 

病院で治療できる体臭(3)脂漏性皮膚炎による頭皮のにおい

頭皮のにおいが気になっているなら、「脂漏性皮膚炎」を疑う必要があります。脂漏性皮膚炎の症状や治療方法を見ていきましょう。

脂漏性皮膚炎の症状とにおい

脂漏性皮膚炎は、皮脂の過剰分泌によって起こる炎症です。より詳しくいうと、過剰分泌した皮脂をエサにして「マラセチア」というカビが育ち、結果的に炎症が起こります。 脂漏性皮膚炎をわずらうと、一般的に「加齢臭」と呼ばれるにおいが生じます。酸化した脂肪により、頭皮から脂っぽいにおいが出るのです。

におい以外の脂漏性皮膚炎の症状には、頭皮の赤みやカサつき、大量のフケの発生があげられます。中年男性の場合、脂漏性皮膚炎は慢性かしやすいので要注意。頭皮のにおいが気になっているなら、早めに治療を受けたほうが賢明です。

脂漏性皮膚炎の治療は何科?

脂漏性皮膚炎の治療は、皮膚科で受けられます。特別な皮膚科でなくとも治療してもらえるので、頭皮のにおいが気になり出したら最寄りのクリニックで受診してください。

病院で行われる脂漏性皮膚炎治療

脂漏性皮膚炎の治療では、薬用シャンプーが処方されます。処方されるのは、もちろん市販の薬用シャンプーではありません。マラセチアの繁殖を抑える殺菌成分「サリチル酸」や、「硫黄」などを含むシャンプーが処方されます。

また病院によっては、シャンプーではなく「ニゾラールローション」を処方する場合もあります。ニゾラールは、抗真菌薬の一種。ニゾラールローションを市販のシャンプーに混ぜて使用することで、マラセチアの繁殖を抑えることができます。 なお、薬用シャンプーやニゾラールローションは、1〜2ヶ月間続けて使用する必要があります。多少症状が軽快しても、自己判断で薬品の使用を中止するのはNG。高い確率で症状が再発するのでご注意ください。

 

病院で治療できる体臭(4)口臭

口臭も病院で治療することができます。口臭の原因と、病院で行われる治療法をチェックしてみましょう。

口臭の原因となるもの

多くの場合、口臭の原因は口の中にあります。たとえば、舌が白くなる「舌苔(ぜったい)」は、口臭の原因の1つです。舌苔は、食べ物のカスや細菌の死骸が舌にこびりついた状態。不衛生な状態であり、口臭のもとになります。

このほか、口の中の清掃不足や歯周病なども口臭の原因です。口臭が気になるなら、まずは口腔内の環境の悪化を疑ってください。

なお、胃に住みついたピロリ菌が原因で、口臭が生じる場合もあります。ただし、こうしたケースはまれ。ほとんどの場合、口臭は口腔内で発生します。口の中に原因が見いだせない場合にのみ、内科的な要因を疑ってください。

口臭の治療は何科?

口腔内で生じた口臭は、歯科で治療できます。口臭が気になりだしたら、まずは最寄りの歯科クリニックで診察を受けてください。

病院で行われる口臭炎治療

歯科で行われる口臭治療としては、「本田式治療」が有名です。本田式とは、歯科医師の本田俊一氏が考案した口臭治療方法のこと。多くの歯科で導入されており、高い実績をあげています。 本田式治療では、まずカウンセリングと各種検査を行います。

主な検査内容は、唾液検査やガス測定、医師による直接のにおい判定など。全身疾患を調べるために、尿検査や腸内ガス分析を行う場合もあります。 カウンセリングと検査で治療方針が確定したら、治療に入っていきます。

治療内容は、オーラルケアグッズ「エクセレントブレス」シリーズの処方や、食生活の指導、口腔生理機能のリハビリなどです。 このほか、精神科や内科などの、他分野の医師と連携した治療が行われる場合もあります。本田式治療は、短期間では完了しません。根本治癒を目指すため、治療には2〜3ヶ月を要します。

 

原因不明の体臭に悩んだときは

体臭のなかには、原因がはっきり特定できないものもあります。一般的な医院で体臭を治せない場合は、どのように対処すればよいのでしょうか。対処方法を確認してみましょう。

体臭専門外来で相談できる

原因不明の体臭の治療は、「体臭専門外来」で相談できます。

体臭専門外来とは、読んで字のごとく体臭を専門とする外来です。 体臭専門外来を受診すれば、においの本当の原因を特定できる可能性があります。

たとえば、長年悩まされた体臭の原因が、「自臭症」と判明するかもしれません。 自臭症とは、機械でにおいを測定できないにもかかわらず、患者本人が体臭を感じる疾患です。自臭症の原因はさまざまであり、一概に「気のせい」で片付けられるものではありません。 とはいえ、専門家の指導を受ければ、自臭症は治療できます。原因不明の体臭に悩んでいるなら、まずは体臭専門外来でカウンセリングを受けてみてください。

 

まとめ

現代は、かつてないほど“潔癖性”や“無臭性”が評価される時代といえます。そんな時代において、自分の体臭が気になるのも無理はありません。 とはいえ、過剰ににおいを気にしていると、ストレスがたまってしまいます。体臭に悩んでいるなら、まずは早めに医師に相談しましょう。体臭の悩みがなくなれば、心身ともに健康的な生活を取り戻せるはずです。