AGAはセルフチェックできる

男性の中には、「自分もAGAになるのではないか」と、心配している方が多いことでしょう。日本人男性の薄毛率は、約26%といわれています。日本人男性の4人に1人が薄毛になる時代に、AGAが気になるのは当然のことかもしれません。とはいえ、心配ばかりするのも考えもの。薄毛が気になる方は、本文で解説するAGAのセルフチェックを実践してみてください。

AGAは早期発見が大切

AGA改善のカギをにぎるのは、早期発見と早期治療といわれています。AGAをセルフチェックする前準備として、早期発見の重要性について触れておきましょう。

早期発見・早期治療が重要なワケ

AGAの早期発見・早期治療が重要とされる理由は、2つあります。1つは「AGAの主な原因が体質にある」こと、2つめは「AGAが進行性の薄毛である」ことです。

まず、AGAの原因について解説しましょう。上記のとおり、AGAの主な原因は体質にあります。「男性ホルモンのテストステロンがAGAの原因」といわれることがありますが、この表現は正確ではありません。 正確には、「テストステロンがDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されやすい体質がAGAの原因」だといえます。

この点について、少し詳しく掘り下げておきましょう。 テストステロンは代表的な男性ホルモンであり、男性の健康にとって必要不可欠です。ただテストステロンは、「5αリダクターゼ還元酵素」の影響を受けることによって、薄毛を引き起こすDHTに変換されてしまいます。 AGAを発症しやすい人は、頭皮に5αリダクターゼ還元酵素が多く存在することがわかっています。つまり、体質的にAGAの発症因子を多く持っているのです。

次に、AGAの進行性について。AGAは進行性の薄毛であり、放置していると症状が広がってしまいます。また、上述のとおり体質に原因があるため、AGAが自然に治ることはありません。 体質という根深いものに原因があり、かつ自然治癒せず進行することから、AGAの改善にはどうしても時間がかかります。

AGAの治療方法は確立されているものの、即効性はありません。 そもそもAGAの治療では、まず薄毛の進行を食い止めて現状を維持することに主眼が置かれます。AGAの進行をストップするだけでも、少なくとも半年程度の治療期間は必要。発毛を実感できるのは、その後の話です。

このように治療に時間がかかることから、AGAへの対策は早めに行わなければなりません。進行してしまった薄毛を元の状態に戻すことは、現代医学をもってしても至難のわざ。治療が上手くいった場合でも、重度のAGAの改善には数年間かかってしまいます。以上の理由から、AGAは早期発見・早期治療が重要だといえるのです。

 

自分でできるAGAチェック

早期発見の重要性を理解できても、AGAの相談のために病院に行くのは、ハードルが高いと感じるものです。そこで実践したいのが、自分でできるAGAチェック。どのようなポイントをチェックすればよいのか、詳しく見ていきましょう。

AGAセルフチェックシート

自身のAGAリスクを探るために役立つのが、「AGAセルフチェックシート」です。まず、以下8項目の中に、ご自身に当てはまるものがないかチェックしてみてください。

・母方の祖父が薄毛である

・不規則な生活が続いている

・ストレスがたまっている

・最近抜け毛が気になる

・髪が全体的にボリュームダウンしてきた

・髪の毛が全体的に細くなった

・以前より額が広くなった

・頭頂部の髪が薄くなってきた

上記の中に1つでも当てはまる項目があるなら、AGAを発症する可能性が高いといえます。

「母方の祖父が薄毛である」という項目があるのは、AGAの要因が隔世遺伝するためです。 ここでいうAGAの要因とは、「アンドロゲン受容体」の感度のこと。アンドロゲン受容体とは、頭皮にある男性ホルモン受容体です。アンドロゲン受容体の感度が高いほどに、前述のDHTが活性しやすくなります。 アンドロゲン受容体の感度の強さは、母親の家系から隔世遺伝するとされています。このため、母方の祖父が薄毛か否かが、AGAの発症に関わってくるのです。

…と、ここまでは体質や遺伝に関わる話が続いていますが、生活習慣や精神的要因もAGA発症の原因となります。不規則な生活や社会生活で感じるストレスが、AGA発症の引き金となるケースは少なくありません。

また、抜け毛が気になったり、髪のボリュームダウンが気になり出したりしている場合は、すでにAGAを発症している可能性があります。額や頭頂部の髪が薄くなってきている場合は、もはやレッドカードです。できるだけ早く、AGAの治療について医師に相談したほうがよいでしょう。

自分でわかるAGAの前兆

AGAの前兆は、抜け毛を見ることで判断できます。たとえば、短くて細い毛が抜けている場合は要注意。DHTの影響によってヘアサイクルが乱れ、成長中の髪が抜けてしまっている可能性があります。

もう一点チェックしたいのが、抜け毛の色です。抜けた髪の毛の根元を見てみてください。もし根元が白いなら、正常な抜け毛です。一方、根元が黒い場合は、髪が成長しきらないうちに抜けていると考えられます。 正常なヘアサイクルを終えた髪は、根元が白くなった状態で抜けます。成長が終わり、細胞からのメラニン色素の供給が止まるため、根元が白くなるのです。これに対して、AGAが原因で抜けた髪は、成長中であるため根元まで黒々としています。

もし、抜け毛が細くて短く、かつ根元まで黒いなら、AGAの前兆である可能性が大です。このほかのAGAの前兆としては、髪のコシが弱くなることや、頭皮が固くなることなどがあげられます。 AGAの前兆を察知するには、自身の頭皮や髪の状態に気を配ることが肝要です。週に1度ぐらいの頻度で、ご自身の頭皮と髪のコンディションをチェックしてみてください。

 

遺伝子レベルでチェックできる遺伝子検査キットもある

AGAの遺伝子検査キットとは

ここまでを読んで「セルフチェックだけでは不安だ…」と感じた方は、「遺伝子検査キット」を使ってみるとよいかもしれません。

遺伝子検査キットとは、自宅に居ながらにして、AGA発症リスクの検査を遺伝子レベルで行えるアイテムです。 遺伝子検査キットを使うと、唾液や粘膜に含まれる遺伝子から、前述のアンドロゲン受容体に関する情報をチェックできます。アンドロゲン受容体の感度の高さを、遺伝子レベルでチェックできるのです。 また、遺伝子検査キットを使用することで、AGA治療薬の効きやすさも確認できます。

遺伝子検査キットの価格は、9,000〜30,000円前後が相場。キットの購入は提供会社のウェブサイトのほか、AmazonやDHCの通販サイトなどでも行えます。

遺伝子検査キットの使い方

遺伝子検査キットには、スワブ式(粘膜採集式)と唾液採集式の2タイプがあります。

スワブ式は、口腔内から採集した粘膜を使って、遺伝子検査を行う方式です。 スワブ式検査キットの使い方は簡単。綿棒で口腔内をこすり、その綿棒をケースに入れてメーカーに送付するだけで完了します。粘膜の採集を行う際は、余計なものが綿棒につかないように、事前にうがいを行ってください。

唾液採集式は、文字どおり唾液を使って遺伝子検査を行う方式です。唾液採集式検査の方法も、専用チューブに唾液を入れてメーカーに送るだけと簡単。唾液を採集する際は、やはり事前にうがいを行いましょう。

遺伝子検査キットの検査結果は、書類もしくは専用サイトで確認できます。検査結果が出るのは、採集した粘膜・唾液を送ってから数週間後。結果が出るまでに、1ヶ月以上かかる場合もあります。

遺伝子検査キットの信憑性

遺伝子検査キットを購入する前に、気にしておきたいのがキットの信憑性です。遺伝子検査キットはごく簡単に使用できますが、その検査結果は信頼できるものなのでしょうか。

…結論からいうと、遺伝子検査キットには一定の信憑性があるものの、検査結果が確実なものとはいえません。なぜこの結論に達するのかというと、遺伝子検査キットの検査内容が、一般的な病院で行っている遺伝子検査とは異なるからです。

AGAに関わる遺伝子は複数ありますが、遺伝子検査キットで調べられるのは、そのうちの1つに過ぎません。つまり、遺伝子検査といっても、病院のように精密な検査を受けられるわけではないのです。 もう一点付け加えると、遺伝子検査キットの検査結果は、メーカーによって大きく異なる場合があります。本当に精密な検査であれば、検査結果にズレが出ることはないはず。この点を踏まえると、遺伝子検査キットの信憑性はあまり高いとはいえません。

 

まとめ

本文で解説したように、AGAは早期発見が重要な薄毛です。セルフチェックでAGAのリスクが高いと判断したら、できるだけ早く医師の診断を受けてください。早期の治療開始が、髪を守ることにつながります。