抜け毛はストレスも原因になる?メカニズムと対策

抜け毛の原因には色々ありますが、ストレスもそのひとつです。「薄毛は遺伝だから仕方がない」とあきらめている方でも、適切な対策をとれば抜け毛を防げるかもしれません。 そこで今回は、ストレスが原因で抜け毛が増えるメカニズムや対策方法をご紹介していきます。疲労やストレスが溜まっている方はぜひチェックしましょう。

ストレスが毛髪に影響するメカニズム

ストレスで抜け毛が増えると聞くと、「そうなのかもな」と思いやすいですが、具体的なメカニズムは案外知らないのではないでしょうか。ストレスによって抜け毛が増える主な原因は、主に以下の3項目が挙げられます。

睡眠の質の低下で育毛が阻害される

ストレスが溜まると睡眠の質が低下して、髪の毛の成長が阻害される可能性があります。

強いストレスを感じたとき、気持ちが高ぶってなかなか眠つけないという経験はありませんか?これは、ストレスによって交感神経が優位になっていることが原因です。 また、ストレスを受けるとコルチゾールといった副腎皮質ホルモンが分泌され、睡眠に悪影響を及ぼすことがあります。

髪の毛の成長を促すには夜間に成長ホルモンがしっかり分泌されることが重要ですが、睡眠の質が低下すると分泌が阻害され、抜けにくい元気な毛髪が育たなくなってしまうのです。

自律神経の乱れによる血流の悪化

ストレスによって自律神経が乱れることも抜け毛を促進させる原因となります。 自律神経には血流やホルモンの分泌など体のさまざまな基本機能をコントロールする働きがあります。そのため、自律神経が乱れると血流が悪化したりホルモンバランスが崩れたりしてしまいます。

健康な頭皮や髪は、血液によって運ばれてくる栄養や酸素がないと成り立ちませんし、発毛・育毛には正常なホルモンバランスが欠かせません。 また、自律神経には活動モードの「交感神経」とリラックスモードの「副交感神経」の2種類があります。ストレスの影響を受けると交感神経が優位になり、血管が収縮して血流の悪化を招きます。 このことから、「ストレスで抜け毛が増えた」というときは自律神経の乱れが影響していることが考えられます。

内臓機能低下による亜鉛不足

過度なストレスや慢性的なストレスは内臓の機能低下を招き、発毛・育毛に必要な亜鉛を不足させることがあります。 亜鉛はミネラルの一種で、髪の毛の主原料であるケラチンというタンパク質の合成をサポートする役割があります。そのため、例えばストレスで胃腸などの消化器官の機能が低下すると、口から摂取した亜鉛の吸収率も悪くなり、ケラチンが作りにくくなってしまいます。

また、ストレスによって体内に活性酸素が増えると、亜鉛が多く消費される傾向にあります。もともと日本人は亜鉛の摂取量が不足気味なので、ストレスを受けるとさらに不足して抜け毛が増加することも懸念されます。

 

円形脱毛症もストレスが原因?

ストレスによる抜け毛というと、円形脱毛症を思い浮かべる方もいるでしょうが、本当にストレスによって発症しているのでしょうか。円形脱毛症とストレスの関連性や、「抜毛症」というストレスによって発症する疾患について見ていきましょう。

円形脱毛症とストレスの因果関係は認められていない

結論からいうと、円形脱毛症とストレスには明確な関連性が確認されていません。つまり、円形脱毛症の原因はストレスにあるとは限らないのです。

円形脱毛症は、主に髪が部分的に円形に抜け落ちる脱毛症の一種ですが、はっきりとした原因はまだ明らかになっていません。近年の研究では、以下のような原因もあると考えられています。

・遺伝による生まれつきの体質

・自己免疫疾患

・アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患

このような体質や疾患がある方は、もともと円形脱毛症になりやすく、その上でストレスがきっかけとなって発症することがあるようです。発症のきっかけはインフルエンザによる高熱など人によって異なり、特に大きなきっかけがないまま発症する人もいます。

ストレスで発症するのは「抜毛症」

ストレスが原因で発症するのは「抜毛症(ばつもうしょう)」という慢性疾患です。 抜毛症は、髪が抜けてしまうのではなく自分で抜いてしまうのが特徴で、毛を抜いてはいけないとわかっていても抑えられないところに問題があります。

抜毛症になると毛を抜くことで満足感を得るようになり、人から見ても明らかなくらいの脱毛状態になることが多いです。 抜毛症は女性に多い疾患ですが、男性でもストレスや強い不安によって発症する可能性があります。

 

ストレスによる抜け毛かも?と思ったときの対策

ここまで、ストレスよる抜け毛のメカニズムや種類についてお伝えしてきましたが、最後の章では予防のための対策方法をご紹介しましょう。

ストレスを溜め込まない工夫をする

まず心がけたいのは、ストレスを溜め込まないようにすることです。現代社会において、ストレスを完全に避けて生活するのはほぼ不可能ですが、ストレスを感じたとしても引きずらないようにすることはできるはずです。

ストレスを発散してリフレッシュする方法は人によって異なりますが、一般的に以下のようなことが有効だと考えられています。

・ 自分の好きなことや趣味の時間をとる

・ 体を動かす

・ ゆっくりとお風呂に浸かる

・ おしゃべりをする

他にも色々あるかもしれませんが、これらはストレスで硬くなった頭や体をほぐしてリラックス感を高めてくれます。そうすれば、自律神経のバランスが整い血流も改善されるでしょう。

質の良い睡眠をとる

良質な睡眠をとるには、ストレスによって高ぶった神経を鎮めてリラックスモードに切り替えることがポイントです。つまり、交感神経から副交感神経へのスイッチです。 眠る前に副交感神経を優位にするのにおすすめの方法は以下のとおりです。

・ぬるめの湯船に浸かる

・ストレッチや軽い体操をする

・アロマを焚く

・リラックスできる音楽を聴く

・ 腹式呼吸で浅くなった呼吸を整える

熱い湯船や激しい運動は交感神経を刺激するので控えましょう。また、寝る直前までテレビやスマホを見るのもNGです。脳や感覚器官に刺激になるようなことは避け、おだやかな気持ちになれることを試してみてください。

病院を受診する

生活面の工夫だけではストレスを軽減できず、精神的な疲労や不安が大きくなるような場合は、心療内科などでカウンセリングを受けることをおすすめします。 ストレスをうまく発散できないまま溜め続けてしまうと、自律神経の乱れによる抜け毛が増えるだけではなく、うつ病を発症するリスクもあります。抜毛症のように自分で行動をコントロールできなくなる可能性もあるので、過度なストレスが続く場合は専門病院や施設を活用しましょう。

 

まとめ

過度なストレスや慢性的なストレスは抜け毛を増やす原因となります。ストレスを受けると自律神経が乱れてしまい、睡眠の質の低下や血流悪化を招きます。発毛・育毛に必要な成長ホルモンは寝ている間に大量に分泌されるので、眠りが浅いと分泌が阻害されて健康な髪の毛が育たなくなってしまいます。

また、ストレスは消化器官の機能低下を引き起こすことがあり、亜鉛など発毛・育毛に必要な栄養素の吸収率を悪くすることも。亜鉛はストレスによって増えた活性酸素に対処するために消費される性質もあるため、余計に足りなくなりがちです。

ストレスによる抜け毛を防ぐには、ストレスを溜め込まないことがポイントです。仕事の後や休日などは、なるべく自分らしくいられる時間をとりリフレッシュしましょう。 それでもストレスがとれない場合や、抜毛症のような症状が現れた場合は、カウンセリングなど専門的なケアをしてもらえる病院や施設を頼りましょう。