抜け毛は皮膚科を受診すべき?皮膚科で行われる治療とは

抜け毛について医師に相談したい場合、受診先は皮膚科が適切なのか迷っている方もいるのではないでしょうか。抜け毛の原因は多岐にわたるため、皮膚科がベストとは限りません。 そこで今回は、皮膚科を受診するのが適切と思われる抜け毛の原因や治療方法について解説していきます。どの病院に行くか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

抜け毛にはさまざまな原因がある!皮膚科で治療できる抜け毛とは

抜け毛を増やす原因はひとつではなく、さまざまなケースがあります。以下の項目では、皮膚科で治療できる抜け毛の原因を3つご紹介するので、特徴をチェックしましょう。

AGAによる抜け毛

AGAは男性型脱毛症のことで、男性に多い脱毛症です。主な症状としては、生え際が薄くなっておでこが後退していく場合と頭頂部が薄くなる場合の2パターンですが、これらが同時に進行するパターンもあります。

主な原因は、ジヒドロテストステロン(DHT)という物質です。DHTは、テストステロンという男性ホルモンの一種が5αリダクターゼという酵素と結合することによって産生され、髪の毛をつくる毛母細胞の働きを低下させてしまいます。 DHTが増えてしまう要因は、遺伝・食生活・ストレスなどの影響が考えられますが、人によって異なります。

円形脱毛症による抜け毛

急に増える抜け毛は円形脱毛症の可能性もあります。円形脱毛症は髪の毛が部分的に抜け落ちる症状で、通常は硬貨くらいの大きさに円形に脱毛します。人によっては生え際が帯状に抜け落ちたり、毛髪が全体的に抜けたりする場合もあるので、一概に円形に抜けるとは限りません。

一般的に、円形脱毛症はストレスで発症するイメージがありますが、発症のメカニズムが解明されていないため詳しい原因は不明です。リンパ球が毛根を壊してしまう自己免疫疾患の一種ではないかという説や、遺伝的な要因も指摘されています。

脂漏性湿疹による抜け毛

抜け毛だけではなく、頭皮がカサカサしてフケが出てくるような場合は脂漏性湿疹かもしれません。 脂漏性湿疹は頭皮・顔・背中など皮脂の分泌量が多い部位に発症する皮膚疾患で、毛穴に生息しているマラセチアという真菌(カビ)による炎症が原因ではないかと考えられています。脂漏性湿疹になると頭皮環境が悪化するので、抜け毛が増えることがあります。

 

男性の抜け毛に多い!AGAの皮膚科での治療

抜け毛の原因がAGAによるものだとしたら、皮膚科ではどのような治療が行われるのでしょうか。

皮膚科でのAGA治療は主に薬物治療

皮膚科では、主に薬によってAGAを治療します。処方される薬は、口から服用する内服薬と頭皮に塗布する外用薬があります。

AGAの内服薬として有名なのはフィナステリド(プロペシア)やデュタステリド(ザガーロ)で、どちらもAGAの原因であるDHTの産生を抑える効果があります。 外用薬では発毛を促すミノキシジルが代表的です。ミノキシジルは本来、高血圧治療のため血管を拡張する薬として開発されましたが、体毛が濃くなる副作用がみられたため、薄毛治療用に再開発されたという経緯があります。

AGA治療を皮膚科で受けるメリット・デメリット

AGAを皮膚科で治療することには、メリットもあればデメリットもあります。

<メリット>

・病院に入るところを見られても薄毛治療とバレにくい

・治療費を抑えられる

一般的な皮膚科はさまざまな皮膚トラブルに対応しているので、薄毛治療のために通っていることを知られたくない方にとっては安心感があります。また、皮膚科では代表的なAGA治療薬のみ取り扱っているので、薬の数があれこれと増えて高くつくということがありません。

<デメリット>

・血液検査など詳しい検査が行われないことがある

・薬物治療以外の治療が行われない

皮膚科では、AGAの原因について深掘りする検査や踏み込んだ治療があまり行われないので、人によっては物足りなさを感じるかもしれません。

皮膚科以外にAGA治療を受けられる病院

皮膚科以外でAGAの治療を受けたい方は、AGA治療に特化した専門クリニックを受診しましょう。

専門クリニックでは、血液検査はもちろん遺伝子検査が受けられるところもあり、より詳しく原因を探ることができます。 また、治療も薬物治療の他に、有効成分を直接頭皮に注入する「メソセラピー療法」や成長因子を注入する「HARG療法」などの選択肢があります。 カウンセリングなども一般的な皮膚科よりきめ細やかに行われるので、本格的に治療したいなら専門クリニックがおすすめです。

 

円形脱毛症の皮膚科での治療

次に、円形脱毛症の皮膚科での治療方法をみていきましょう。

円形脱毛症の根本治療はない

前述したように、円形脱毛症の原因や詳しいメカニズムは解明されていないため、「こうすれば絶対に改善する」という根本的な治療方法はありません。円形脱毛症を発症しても、軽度であれば自然にまた髪が生えてくることもありますし、色々な治療方法を試してもなかなか改善されない場合もあります。

皮膚科で行われる円形脱毛症の治療は薬物治療

皮膚科における円形脱毛症の治療は、一般的に薬物治療です。特効薬がないため用いられる薬は病院によって異なりますが、ステロイド外用薬やセファランチン内服薬などがあります。また、ステロイド局所注射によって発毛を促したり、ビタミン・ミネラルを投与したりする場合もあるようです。

薬物治療と並行して、生活習慣を見直すことも推奨されます。根本原因ではないものの、円形脱毛症が発症するきっかけとしてはストレスも挙げられるので、睡眠時間を十分に確保するなど心身をしっかり休めることも有効です。

 

脂漏性湿疹による脱毛の皮膚科での治療

最後に、脂漏性湿疹による抜け毛を皮膚科で治療する方法をご紹介します。

脂漏性湿疹はシャンプーの見直しでも改善可能

脂漏性湿疹は、普段使っているシャンプーを変えることでも改善する可能性があります。前述したように、脂漏性湿疹の主な原因はマラセチアという真菌なので、抗真菌剤が配合されたシャンプーを使えば繁殖を抑えられるかもしれません。

また、マラセチアは皮脂をエサにして繁殖するので、シャンプー時は頭皮をいたわりながら皮脂を除去することが大切です。皮脂を除去したいあまり洗浄力の高いシャンプーでゴシゴシ強く洗うと、頭皮が乾燥し、かえって皮脂の過剰分泌を招いてしまうので洗い方にも注意しましょう。

重症化したら薬物療法を行う

軽度の脂漏性湿疹なら適切なシャンプーを使い、毎日丁寧に洗髪するだけで改善することがありますが、重症化している場合は薬による治療が必要です。 脂漏性湿疹が悪化したときの治療には、湿疹の症状を抑えるステロイド外用薬が用いられることが多いです。

また、マラセチアの繁殖を抑える抗真菌剤が処方されることもあります。ステロイドは効果が高い一方、副作用も出やすい薬なので、必ず医師の指示どおりに使用しましょう。

 

まとめ

抜け毛を増やす原因には色々ありますが、その中でも皮膚科で治療ができる主なものはAGA(男性型脱毛症)・円形脱毛症・脂漏性湿疹です。

男性の抜け毛の原因で多いのはAGAで、おでこの生え際や頭頂部が薄くなるのが特徴です。AGAの治療には、原因物質であるDHTの産生を抑える内服薬や、発毛を促進する外用薬がよく用いられます。皮膚科ではAGAに対して踏み込んだ治療はあまり行われないので、薬以外の治療も受けたい方は治療の選択肢が多いAGA専門クリニックを受診しましょう。

原因が解明されていない円形脱毛症には、根本治療は確立されていませんが、ステロイド外用薬やセファランチン内服薬などの薬で発毛を促します。

また、脂漏性湿疹についても薬物治療が基本で、抗真菌剤やステロイド外用薬などが処方されます。症状が軽ければ、抗菌作用のあるシャンプーに変えることで改善できる場合もあるでしょう。

ご自身の抜け毛や頭皮の状態がご紹介した症状に近い場合は、まず皮膚科を受診してみましょう。