ハゲは治療できる!病院での治療法紹介

ハゲてしまいそうで心配という人はもちろん、最近ハゲが目立つようになったという人も、諦めてしまうのはやや性急すぎます。ハゲにはちゃんとした治療法があるからです。まだ一般的にはあまり知られていないハゲの治療について、治療を受けられる医療機関や具体的な方法をご紹介しましょう。

男性のハゲの主な原因

一口にハゲといっても、毛が抜ける原因はさまざま。原因に合った治療を受けることが大切なのはいうまでもありません。

AGA

「AGA(男性型脱毛症)」は、思春期以降の男性の脱毛症の中では最もよく見られ「薄毛症状」ともいわれます。男性ホルモンのテストステロンから変化した「DHT(ジヒドロテストステロン)」が、髪の毛を育てる毛母細胞に作用して、正常は発毛サイクルが乱れることで起こります。

額の生え際か頭頂部、あるいはその両方の髪が細く、短くなり、次第に髪が薄くなっていくのが特徴です。遺伝が関わっていると考えられていますが、生活習慣などの影響も受けるので、AGAになりやすい遺伝子を持っていても必ずハゲになるとは限りません。

円形脱毛症

ある日突然、コインサイズの脱毛部分が発生する脱毛症です。詳しい原因は明らかになっていませんが、何らかの理由で自己免疫機能に異常が起こり、髪の毛を育てる細胞がリンパ球の攻撃を受けて発症すると考えられています。遺伝的な要因が関わっているようで、親子間の遺伝の確率は10%程度、一卵性双生児なら同じような円形脱毛症が起こりやすいといわれています。

また、精神的なストレスや過労、感染症なども関わっているという説が有力です。脱毛部分が1カ所の場合、7〜8割は治療を受けなくても再び自然に毛が生えてきます。しかし、脱毛が髪の毛の25%以上になると重症で、自然に生えるのが期待できないばかりか、治療の効果も現れにくくなります。

 

ハゲ治療はどこで受けられる?

ハゲの治療を受けるために何科を受診すればいいのか、即座に答えられる人は少ないと思います。ハゲのタイプ別に、対応している医療機関をご紹介します。

AGAの場合

AGAは一般的には、皮膚科の領域に入る脱毛症です。このため、病院の皮膚科や脱毛専門外来、皮膚科のクリニックを受診するのが基本です。ただし、一般の病院やクリニックでは、AGA治療に対応していないところもあります。受診する場合は、事前にホームページ、電話、メールなどで、AGAの治療が受けられるかどうか確認しておきましょう。

また、近年はAGAの治療に特化した専門クリニックも都心部を中心に数多くあるので、検討してみてもよいでしょう。無料のカウンセリングを実施しているところもあります。

円形脱毛症の場合

円形脱毛症も基本的には皮膚科の領域に入ります。AGAとは異なり、ほとんどの病院の皮膚科、皮膚科クリニックで対応しています。また、脱毛専門の外来や、毛髪外来を設置している病院もあるので、地域に専門外来を開設している医療機関がないか調べてみるのもおすすめです。専門外来は予約診療のところがほとんどなので、事前にきちんと確認しておくと安心です。

 

AGAの治療法

男性のハゲの原因で最も多く見られるAGAには、一般的な内服薬、外用薬を用いた薬剤療法のほか、近年は先進的な治療法や新しい治療法も開発されています。

治療薬(内服薬)での治療

国内でAGAの治療に使用されている飲み薬の有効成分は、現在のところ「フィナステリド」と「デュタステリド」の2種類のみです。AGAは男性ホルモンのテストステロンが、「5αリダクターゼ」という酵素の働きで「DHT(ジヒドロテストステロン)」に変化することで発症します。

フィナステリドとデュタステリドはどちらも、この5αリダクターゼの働きを抑制する作用があり、AGAの治療に効果が認められています。フィナステリドを含む治療薬は「プロペシア」という名称で知られ、国内の製薬会社からジェネリック医薬品も発売されています。

一方、デュタステリドは2016年から販売が開始された新薬で「サガーロ」という名称で知られています。5αリダクターゼの働きを阻害するという作用はプロペシアと同じですが、サガーロはプロペシアよりも強い効果が期待できるといわれています。

治療薬(外用薬)での治療

AGA治療の外用薬として、ローションなどに使われている有効成分が「ミノキシジル」です。もともとは高血圧の治療用に開発された成分でしたが、高血圧患者に発毛が見られるという副作用が見つかり、脱毛症の外用薬として用いられるようになりました。

ミノキシジルを配合した薬で、国内で製造販売が認められているのは、現在のところ大正製薬の「リアップ」のみです。AGAの飲み薬とは異なり、一般医薬品に分類されているので、薬局やドラッグストアで購入して使用することも可能です。ただし、製造元の大正製薬では、リアップを6カ月程度継続して使用しても効果が認められない場合は、医療機関の受診をすすめています。

HARG療法での治療

「HARG(ハーグ)療法」は、HARGカクテルと呼ばれる液剤を頭皮に注入する治療法です。液剤は、健常な20歳前後のドナーから提供された脂肪細胞を培養し、その上澄み液を集めたものです。抗炎症作用を持つ成分や成長因子を含み、毛髪の成長が期待できるとされています。

治療では、1カ月ごとに計6回カクテルを注入し、その後、2〜3カ月に1回の割合で注入するケースが一般的です。ただし、内服薬や外用薬を用いた治療に比べると、医学的な根拠が乏しく、日本皮膚科学会のAGAの治療ガイドラインにもHARG療法の記載はありません。治療を考えている場合は、医療機関の担当医とよく相談することをおすすめします。

植毛での治療

植毛はハゲた部分に毛髪を移植する治療法です。毛髪の種類によって、自毛植毛術と人工毛植毛術の2種類の方法があります。自毛植毛術ではAGAの原因物質のDHTの影響を受けにくい後頭部の髪の毛を、根元ごと脱毛部へ移植します。手術は3〜6時間で終わり、日帰りでの施術が可能です。

日本皮膚科学会の診療ガイドラインは、内服薬、外用薬の治療で十分な結果が得られない場合は、自毛植毛術をすすめています。一方、人工毛植毛術では化学繊維で作られた人工毛を脱毛部へ移植します。人工毛に対する拒絶反応が報告され、日本皮膚科学会ではAGA治療のために人工毛植毛術を行わないことを呼びかけています。ただし、厚生労働省は人工毛植毛術を禁止しておらず、施術を行っている施設もあります。

 

円形脱毛症の治療法

円形脱毛症の治療では、脱毛の範囲が頭髪全体の25%未満か25%以上の重症例か、さらに発症からの期間がどの程度かによって治療法が選択されます。

ステロイド局注療法での治療

日本皮膚科学会では、円形脱毛症の治療について診療ガイドラインを策定しています。ガイドラインによると、発症初期で狭い範囲の脱毛しか見られない場合は、外用薬や内服薬で様子を見て、長引くようなら脱毛部のステロイド局所注射などを試みます。

ステロイド局所注射は痛みを伴う治療で、注射した部位がへこむというリスクがありますが、高い発毛率が期待できる治療法です。また、ある程度脱毛が進行している場合は、入院して3日間にわたって大量のステロイド剤を点滴するステロイドパルス療法も検討されます。

局所免疫療法での治療

円形脱毛症による脱毛部分の面積が広く、さらに症状が6カ月以上続いている場合には、局所免疫療法の適用が適応がされます。脱毛部分にかぶれを起こす薬品を塗り、弱い皮膚炎を繰り返し起こすことで発毛を促します。

治療受けた人の60%以上に発毛が見られ、現在のところ最も有効な円形脱毛症の治療法とされています。ただし、治療を中止すると再び脱毛が起こって、繰り返し治療が必要になるケースもあります。

そのほかの治療法

ステロイドの局注療法、局所免疫療法のほかに、円形脱毛症の治療にはドライアイスや液体窒素などで脱毛部分を冷却して発毛を促す冷却治療や、紫外線を当てる紫外線療法、特殊な赤外線を当てる治療法などがあります。

しかし、円形脱毛症の原因は明らかになっておらず、医学的に十分な根拠がない治療法もあります。また、健康保険の適用されない治療法も多く、費用がかかるケースも少なくありません。治療を受ける際は、しっかりと確認することが大切です。

 

まとめ

ハゲの予防、改善のために治療を受けるなら、自分のハゲのタイプを見極め、適した医療機関で、症状や体質などに合った治療を受けることが大切です。

治療には、一定の効果があり学会の診療ガイドラインに認められているもののほか、ガイドラインに記載されていないものもあるので、治療を受ける前にはそれぞれのメリット、デメリットをきちんと確認しましょう。

現在のところ、診療ガイドラインで認められているAGAの治療法は、内服薬が2種類と外用薬が1種類、自分の髪の毛を移植する自毛植毛術のみです。一方、円形脱毛症の場合は、脱毛部分の広さや発症からの期間によって、ステロイドの局注療法か局所免疫療法を適用するのが一般的です。