ミノキシジルの副作用とは?外用薬・内服薬で症状は異なる?

育毛効果をもつ医薬品として、ミノキシジルは多くの男性の薄毛改善に役立てられています。ミノキシジルには市販薬もあるため、ごく気軽に入手することが可能。ただ、ミノキシジル配合薬を使うなら、副作用のことは知っておきたいところです。ミノキシジルがもつ副作用について、本文で学んでみてください。

日本では副作用が少ないミノキシジル外用薬が主流

ミノキシジル配合の医薬品には、内服薬と外用薬があります。日本での主流は、副作用が少ない外用薬です。本文のはじめに、ミノキシジル外用薬の詳細を確認しておきましょう。

ミノキシジル外用薬とは

ミノキシジル外用薬は、頭皮に直接塗布するタイプの医薬品です。

ミノキシジル外用薬は病院で処方を受けられるほか、市販薬としてドラッグストアで入手することも可能。市販のミノキシジル外用薬には、大正製薬の「リアップ」とアンファー株式会社の「メディカルミノキ5」があります。

ここで、ミノキシジルのもつ効果について、簡単に説明しておきましょう。ミノキシジルは、もともと「血圧降下剤」として開発が進められていた医薬品です。臨床試験において育毛効果が認められたことから、ミノキシジルは育毛剤としても研究されるようになりました。 ミノキシジルには、血管を拡張させる作用があります。ミノキシジルの効果で頭皮の血管が広がると、血流量がアップ。血液中の栄養素が髪に届きやすくなります。 栄養が供給されることにより、細胞分裂が活性化されて髪の成長が促される。これが、ミノキシジルで得られる育毛効果です。

上記のとおり、ミノキシジル外用薬はドラッグストアでも入手できます。ただし、内服薬とくらべると、皮膚に塗布する外用薬は効果が弱めです。その代わりに外用薬は副作用も弱めなため、比較的安全に使用できます。

ミノキシジル内服薬は使えない?

先に触れたとおり、ミノキシジル配合薬には内服薬があります。ただし、日本においては、ミノキシジル内服薬は厚生労働省に認可されていません。 とはいうものの、日本のAGA専門クリニックには、ミノキシジル内服薬の処方を行っている医院も多数存在します。日本の法律では、医師が必要だと認めさえすれば、国内未承認の医薬品も処方できるのです。 ただし、ミノキシジル内服薬の処方は、誰でも受けられるわけではありません。多くのクリニックでは、問診や血圧測定などの結果を踏まえたうえで、処方の可否を決めます。

また、ミノキシジル内服薬の使用者に対して、健康診断結果の提出をもとめる医院も少なくありません。このように処方を慎重に行うのは、ミノキシジル内服薬が強い副作用の出やすい薬であるためです。

なお、国内で処方されているミノキシジル内服薬には、「ミノキシジルタブレット」「Noxidil(ノキシジル)」「MINOX(ミノックス)」などがあります。当然ながら、いずれも外国製の医薬品です。

 

ミノキシジル外用薬による副作用

ミノキシジル外用薬は安全性の高い医薬品ですが、やはり副作用はあります。どのような副作用が起きやすいのか、詳しくチェックしてみましょう。

多い副作用はかゆみやかぶれなどの皮膚症状

ミノキシジル外用薬の使用によってもっとも起こりやすい副作用は、頭皮のかゆみ、かぶれなどの皮膚症状です。わけても頭皮のかゆみは、多くの使用者により報告されています。

これら副作用の発生理由は、正確にはわかっていません。ただ、ミノキシジル外用薬の添加剤に対するアレルギー反応や、血行が改善したことによる影響などにより、皮膚症状が起こると考えられています。

かゆみやかぶれなどの皮膚症状は、重篤な副作用とはいえません。とはいえ、これら症状を無視してミノキシジル外用薬の使用を続けると、頭皮が炎症を起こす場合があります。 頭皮に起こる炎症は、育毛の妨げになりかねません。また、頭皮の炎症は、フケの大量発生をまねく場合があります。大量のフケは髪の発育を阻害し、「ひこう性脱毛症」と呼ばれる脱毛症の原因となる場合があるので要注意です。

ミノキシジル外用薬でむくみの副作用は出る?

ミノキシジル外用薬の1つとして、手足のむくみが報告されています。先に解説したように、ミノキシジルは降圧剤として開発された医薬品です。このため、降圧剤の副作用である、手足のむくみが発生する場合があるのです。

ここで少し、降圧剤によってむくみが起きるメカニズムを解説しておきましょう。降圧剤とは、血管を拡張することにより血圧を下げる薬です。その効果は、体中に酸素と栄養を運ぶ役目をもつ、「動脈」に対して強く発揮されます。 この一方で降圧剤は、老廃物や二酸化炭素を運ぶ「静脈」に対しては、あまり影響を与えません。こうした特性があるため、降圧剤を使用すると、動脈の血流が増加する一方で、静脈では血液が溜まってしまう場合があります。 静脈に血液が溜まると、血液中の水分が皮膚下まで染み出します。このため、むくみが発生するのです。

ミノキシジル外用薬の副作用としてのむくみも、同じメカニズムで発生します。 ただし、ミノキシジル外用薬でむくみが起こる頻度はまれ。健康な成人男性であれば、ミノキシジル外用薬によるむくみを心配する必要は、ほぼないと考えてよいでしょう。

ミノキシジル外用薬で頭痛の副作用は出る?

ミノキシジル外用薬の副作用として、頭痛が報告されています。この副作用は、ミノキシジルの血管拡張作用によって起こる反応だとされています。 言うなれば、ミノキシジル外用薬による頭痛は、片頭痛のようなものです。片頭痛のメカニズムは正確にはわかっていませんが、脳の血管拡張が主な原因だとされています。 脳内の血管が拡張すると、三叉神経が刺激されて痛みが生じる。これが、一般的に考えられている、片頭痛の発生メカニズムです。

ミノキシジル外用薬の作用で脳の血管が拡張すると、片頭痛と同様の機序で、痛みが生じる可能性があります。 とはいうものの、外用薬が脳の血管にまで影響を及ぼす可能性は、ごく低いと考えられます。このため、ミノキシジル外用薬の副作用で頭痛が起こる確率も、極めて低いと思ってよいでしょう。

 

ミノキシジル内服薬による副作用

前節で解説した外用薬とくらべて、ミノキシジル内服薬は降圧剤そのものに近い医薬品です。このため服用にあたっては、強い副作用に注意しなければなりません。ミノキシジル内服薬のもつ副作用を、詳しく見ていきましょう。

血圧低下によるめまいやふらつき

ミノキシジル内服薬を服用すると、血圧低下によるめまい、ふらつきなどの症状が起きる場合があります。これらの症状は、正確には副作用とは呼べないかもしれません。 というのも、先に何度か触れているとおり、ミノキシジルは降圧剤として開発された医薬品だからです。健康な人が降圧剤を使うことにより、低血圧の症状が出るのは当然のことだといえます。

ここで、血圧低下によって、めまいやふらつきが起こるメカニズムに触れておきましょう。血圧とは、血液を運ぶための圧力です。血圧が大幅に低下すると、脳に十分な血液が回らなくなります。 すると、血液によって運ばれるはずの酸素が不足するため、脳が酸欠状態に。結果的に「平衡中枢」の機能が低下し、めまいやふらつきが起こります。

当然ながら、こうした低血圧の症状は、脳や体にとって歓迎すべきものではありません。ミノキシジル内服薬の使用によってめまい・ふらつきが生じたら、服用を中止して医師の指示を仰ぐ必要があります。

心臓に重い副作用が出ることもある

ミノキシジル内服薬で生じる重篤な副作用に、心臓疾患があげられます。ミノキシジル内服薬の服用によって、狭心症や不整脈、動悸といった、心血管系の副作用が生じる場合があるのです。

…とここで、なぜもともと降圧剤として開発されたミノキシジルによって、これら心臓疾患が起こるのか疑問に思う方も多いことでしょう。 先に解説したとおり、ミノキシジルは主に動脈に対して効果を発揮し、その反面で静脈にはあまり影響をあたえません。このため、動脈でのみ血流量が増加して、拡張していない静脈では血液の流れが速くなる場合があります。 静脈で血液の流れが速まると、心臓に一気に血液が流れ込んでしまうことに。すると心拍数が異常に高まって心臓が酸欠状態になり、狭心症の発作が起こります。

このほか、急激な血圧低下は、交感神経の活発化による心拍数の上昇を招きます。血圧低下を感じた脳が、交感神経を緊張させて血圧を高めようとするために、心拍数が上がってしまうのです。この脳の働きも、心臓疾患を引き起こす要因となります。

実は、上記のような副作用があるため、現在ミノキシジルは降圧剤として使用されていません。心疾患の既往歴がある方や現在治療中の方は、医師とよく相談したうえで、ミノキシジル内服薬使用の是非を決めてください。

ミノキシジル内服薬の副作用で体毛が濃くなる?

ミノキシジル内服薬の副作用の1つに、全身の体毛が濃くなる「多毛症」があげられます。そもそも育毛剤としてのミノキシジルの研究は、この多毛症が発見されたことによりスタートしました。 ミノキシジル外用薬であれば、体毛を濃くする効果を、頭部に限定して発揮させることができます。このため、育毛剤としてのミノキシジルは、基本的に外用薬なのです。

一方、内服薬の場合だと、ミノキシジルが効果をおよぼす場所を限定できません。血液に乗って薬剤が全身をめぐるため、全身に発毛効果が発揮されてしまいます。 とはいうものの、内服したほうが、ミノキシジルの効果が強く発揮されることも事実。多毛症は、内服による強い効果とのトレードオフだといってよいでしょう。

 

まとめ

本文で解説したように、ミノキシジル配合薬のなかでも、内服薬は副作用が出やすい医薬品です。ミノキシジル内服薬は個人輸入でも入手できますが、安全性を考慮するなら、医師の処方を受けるべきだといえます。

また、ミノキシジル外用薬についても、心疾患の既往歴がある方は、使用を医師に相談したほうが安全です。ミノキシジル配合薬の使用は、安全性を確保したうえで行ってください。