プロペシアで初期脱毛は起こるのか?治療でスカスカになる初期脱毛とは

薄毛治療を始めた人に起こることがあるという「初期脱毛」。人によっては髪がスカスカになるほど脱毛してしまう初期脱毛とは、どのような仕組みで起こる症状なのでしょうか。 そこで今回は、初期脱毛のメカニズムについて解説します。代表的な治療薬プロペシアでも起こるのか、という点についてもご説明しますので、薄毛治療を考えている方は必見です。

プロペシアでも起こる?AGA治療の「初期脱毛」とは

では早速、AGA(男性型脱毛症)の治療によって起こることがある初期脱毛の概要やメカニズムについてご説明します。

初期脱毛とは

初期脱毛とは、AGAの治療を始めてから一時的に抜け毛が増える症状のことを指します。抜け毛の程度には個人差があり、「ほとんど気にならなかった」という人もいれば「いつもより抜け毛が増えて見た目が変わってしまった」という人もいるようです。

薄毛を改善したくて治療を始めたのに、抜け毛が増えてしまうのは逆効果のような気もしますよね。でも、初期脱毛を「治療の効果が出始めているサイン」と説明している病院やクリニックも多くあります。

メカニズムについては後述しますが、初期脱毛は一時的な脱毛症状なので、ある程度の期間を過ぎれば抜け毛は収まります。

初期脱毛が起こるメカニズム

初期脱毛は、髪の毛が生え変わる成長サイクル(毛周期)に関わる症状です。 髪の毛は一定の周期を経ながら生え変わっていて、一度伸びた毛は成長期を過ぎると退行期・休止期に入り、自然に抜け落ちます。そして、その毛穴は新しい髪の毛が生まれるための準備期間に入り、準備が整うと再び毛が生えてきます。

初期脱毛は、滞っていた毛周期が正常に戻り、抜けかけている退行期や休止期の髪の毛が治療をきっかけに抜け落ちる現象だと考えられています。つまり、「古い髪の毛が抜ける=新しい髪の毛が生える前段階」なので、抜けた毛穴からは新たな毛が生えてくるというわけです。

毛周期は髪の毛1本1本で異なり、個人差もありますが、毛周期が正常であれば成長期は4〜6年程度続きます。そのため、通常は髪の毛は数年かけて太く長く伸びるのですが、AGAを発症すると毛周期がかなり短くなり、成長しきれていない段階で脱毛してしまいます。AGAを発症した人の抜け毛が、細く短いことが多いのはそのためです。 そして、初期脱毛による抜け毛は、AGAによって乱れたヘアサイクルが正常に戻りつつある証拠だといわれています。初期脱毛は、早い人だと治療開始後10日程度で始まり、一般的には4週間くらい続くようです。

 

実際にプロペシアで初期脱毛は起こるのか

初期脱毛の基本を押さえたところで、プロペシアによって初期脱毛が起こるのかについてみていきましょう。

初期脱毛がある・ない…見解は二分

プロペシアによる初期脱毛の有無については、見解が分かれているのが現状です。

プロペシアを使ってAGAの治療を始めると初期脱毛が起こることがある、と公式サイトに記載している病院・クリニックがある一方、プロペシアによる初期脱毛はないとする見解も見受けられます。

そもそも、初期脱毛という言葉はクリニックのホームページなどでよく目にしますが、明確な定義がある医学用語ではありません。AGAの診療に関する基準が記載された日本皮膚科学会のガイドラインでは、初期脱毛についての言及はありませんし、初期脱毛の仕組みを医学的に解明した研究報告もまだないようです。 つまり、初期脱毛という症状自体、医学的に証明されたものではないため、プロペシアによって抜け毛が増えることについても明確な根拠があるわけではないのです。

とはいえ、実際に薄毛治療を行っているクリニックでは、患者さんに初期脱毛のような抜け毛の症状が現れることがあるようです。初期脱毛は医学的に解明された症状ではないにせよ、臨床の現場ではみられることがある、というのが現状といえるでしょう。

ミノキシジルと併用している場合は初期脱毛が起こり得る?

薄毛治療中の初期脱毛の有無については結論が出ていませんが、プロペシアとミノキシジルを併用している場合は起こる可能性がある、という見解があります。

日本で製造・販売が認可されているミノキシジルは直接頭皮に塗る外用薬ですが、クリニックの中には内服薬を処方しているところもあります。 ミノキシジルには、頭皮の毛細血管を拡張させることで毛根組織に栄養が届きやすくする他、細胞が自然死する「アポトーシス」を抑える作用があります。それにより、短くなっていた毛周期を正常に戻すことが可能だと考えられています。そして、ミノキシジルを使用して毛周期が回復すると、弱っていた髪の毛が新しい髪の毛に押し出されるようにして脱落することが想定されます。

このように、ミノキシジルには毛周期を長くする性質があることから、基本的な見解は「プロペシアでは初期脱毛は起こらない」という場合でも、「ミノキシジルと併用すると起こり得る」としているクリニックもあります。

プロペシアとミノキシジルは実際に併用されることが多いですが、ミノキシジルは治療の途中から追加されるケースもあります。プロペシア単体では脱毛症状がみられなかったのに、ミノキシジルを追加してから抜け毛が増えたという事例が複数あれば、担当医はミノキシジルによる初期脱毛だと推定するかもしれません。

 

初期脱毛かも…と思ったら

薄毛治療を始めてから抜け毛が増え、「初期脱毛かもしれない」と感じた場合はどうすればよいのでしょうか。適切な対処方法を確認しておきましょう。

いったん使用を止めて医師に相談

治療を始めたのに今まで以上に抜け毛が増えてしまったら、使用している薬をいったん止め、かかりつけの医師に相談してください。

先述のように、初期脱毛はクリニックなどの臨床の現場では見受けられるようですが、医学的に解明されているわけではないため、抜け毛の量や症状が続く期間などについてもはっきりした基準や根拠はありません。 つまり、自分で初期脱毛だと思っても、実際に新たな髪の毛が生えるサインだとは限らないのです。

初期脱毛があるという見解のクリニックによると、初期脱毛が終われば再び髪の毛が生えてきて、太く長く成長する可能性があるとしています。たしかにこのような事例があるのでしょうが、すべての方に起こるわけではないですし、患者自身で判断できるものではありません。 そのため、抜け毛が気になったら自己判断はせず、医師に診てもらいましょう。

スカスカになるほどの脱毛は別の原因の可能性も

薄毛治療を始めてから髪がスカスカになるほど脱毛し、地肌がかなり透けて見える状態になってしまった場合は、初期脱毛以外の可能性もあります。

初期脱毛の症状の現れ方には個人差があるため、抜け毛の量も人によって異なります。いつもより3倍くらいに抜け毛が増えたという事例もあるようなので、一時的とはいえ、毎日それだけ抜けたらスカスカになることもあるかもしれません。 ただし前項でもお伝えしたように、それが初期脱毛とは言い切れません。もしかしたら他の疾患による脱毛の可能性も考えられるため、「初期脱毛だから大丈夫」と思い込むのはNGです。

また、一般的な初期脱毛では、髪が全体的にスカスカになることはあまりないようなので、脱毛量が異常に多い場合は他に原因がある可能性が高いでしょう。

 

まとめ

プロペシアなどの薬を使ってAGAの治療を始めると、初期脱毛と呼ばれる一時的な脱毛症状がみられることがあります。

初期脱毛は医学的に完全に解明されている症状ではないですが、乱れた毛周期の回復や発毛の兆候だという見解を示している医療機関もあります。とはいえ、初期脱毛の有無についての見解は分かれていて、プロペシアなどの薬との因果関係について結論はまだ出ていません。

薄毛治療を始めて初期脱毛と思えるような抜け毛がみられても、それが本当に薄毛改善の兆候とは限りませんし、他に原因があるかもしれません。抜け毛が気になったら初期脱毛だと自己判断はせず、いったん薬の使用を止めて医師に診てもらいましょう。