プロペシアでニキビができる?それともニキビが治る?

一部では、プロペシアを服用するとニキビができる、あるいはニキビが治るといわれているようです。相反する意見ですが、プロペシアとニキビに何かしらの関わりはあるのでしょうか。このページでは、プロペシアとニキビの関係を解説しています。肌の調子が気になる方は参考にしてください。

AGA治療薬・プロペシアでニキビができる?

プロペシアには、いくつかの副作用が報告されています。ニキビに関わる副作用はあるのでしょうか。

プロペシアの副作用にニキビの記載はない

プロペシアを製造・販売しているMSD株式会社の資料によると、プロペシアの副作用に「ニキビ(尋常性ざ瘡)」の記載はありません。資料を見る限り、プロペシアの副作用でニキビができることはないといえそうです。プロペシアの服用後、ニキビができた方は他の原因が疑われるかもしれません。

プロペシアでニキビが治るという見解もある

では、プロペシアでニキビが治ることはあるのでしょうか。

MSD株式会社の資料を確認すると、ニキビが治るとは記載されていません。しかし、プロペシアの服用は、ニキビ治療に有効と考える医師はいます。

ニキビ治療に有効といえる理由は、ニキビの原因とプロペシアの働きを理解すればわかります。 ニキビの原因の一つとされるのが男性ホルモンのジヒドロテストステロンです。このホルモンは、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を増やすことでニキビを悪化させます。 プロペシアの働きは、男性における男性型脱毛症の進行を遅らせることです。具体的には、男性ホルモンのテストステロンをジヒドロテストステロンに変換するⅡ型5αリダクターゼを阻害することで進行を遅らせます。つまり、ジヒドロテストステロンの産生を阻害することで男性型脱毛症の進行を遅らせるのです。 ジヒドロテストステロンは、男性型脱毛症の原因であるとともにニキビの原因でもあります。産生が阻害されると、男性型脱毛症の進行が遅くなるだけでなくニキビも治る可能性があります。よって、ニキビ治療に有効と考える医師がいるのです。

残念ながら、女性がプロペシアを服用することはできません。特に、妊娠中・授乳中の女性は気を付けてください。男の子の発育に悪影響を及ぼす恐れがあります。

 

ニキビではないが肌荒れの副作用はある

以上の通り、プロペシアにニキビができるなどの副作用はありません。しかし、他の副作用は報告されています。プロペシアを服用する方は、他の副作用にも注意しましょう。

プロペシアの肌への副作用

プロペシアは、肌に関連する副作用を起こす恐れがあります。具体的には、掻痒症・蕁麻疹・発疹などを起こす恐れがあります(掻痒症とはかゆみのこと)。肌に関連する副作用を起こす頻度は不明です。プロペシアを服用してからかゆみや蕁麻疹、発疹などが現れた方は、副作用に気をつけましょう。

その他のプロペシアの副作用

肌に関連する副作用以外も報告されています。具体的には、「リビドー減退・勃起機能不全・睾丸痛・男性不妊症・精液の質低下・血管浮腫・肝機能障害・乳房圧痛・乳房肥大・抑うつ症状」などが報告されています。

以上の中で、起こりやすいと考えられているのがリビドー減退と勃起機能不全です。承認時に行われた二重盲検比較試験では、276例中3例でリビドー減退、276例中2例で勃起機能不全が認められました。リビドー減退の発症頻度は1.1%、勃起機能不全の発症頻度は0.7%です。リビドー減退・勃起機能不全には、生活習慣や年齢、心理的な影響なども関わるため単純にこの確率で起こるとは言えませんが、気を付けたい副作用とは言えます。

以上の中で重大な副作用と考えられているのが肝機能障害です。肝機能障害とは、肝臓の働きが悪くなることです。使用成績調査では、943例中2例(0.2%)の肝機能障害が認められています。発症は不明ですが、重大な結果を招く恐れがあるので十分な注意が必要です。また、肝機能障害がある方へ投与した場合の安全性は分かっていません。すでに肝機能障害がある方は、服用前に医師に相談しましょう。

 

プロペシア以外にもある!肌への副作用があるAGA治療薬

AGA治療薬はプロペシアだけではありません。併用されることが多いのがミノキシジルです。ミノキシジルにも副作用はあります。具体的に、どのような副作用があるのでしょうか。

ミノキシジルでかぶれやかゆみの副作用

ミノキシジルは、大正製薬が販売しているリアップの有効成分です。リアップの説明書には、次の症状が現れた場合、副作用が疑われると記載されています。

・皮膚:頭皮の発疹・発赤・かゆみ・かぶれ・フケ・使用部位の熱感など

・精神神経系:頭痛・気が遠くなる・めまい ・循環器:胸の痛み・心拍が速くなる

・代謝系:原因のわからない急激な体重増加・手足のむくみ

これらの中で特に起こりやすいと考えられているのが、かぶれやかゆみなど皮膚に関連する症状です。副作用と思われる症状が現れた方は、使用を中止して医師または薬剤師に相談することが勧められています。気になる症状が現れた方は、出来るだけ早く対処しましょう。

 

ニキビ、湿疹…肌への副作用が見られたら

プロペシアの副作用と思われる症状が現れた場合、どのように対処すればよいのでしょうか。おすすめの対処法を紹介します。

プロペシアの使用をいったん中止

肌に関連する副作用に限らず、プロペシアが原因で現れた副作用は服用を中止することなどで治まると考えられます。気になる症状が現れた方は、医師に相談のうえ、服用を中止するなどを検討すると良いでしょう。

ただし、全ての副作用が必ず治まるとは言い切れません。服用中止後も、プロペシアの副作用が改善しないケースが報告されているからです。これを、ポストフィナステリド症候群といいます。現在では否定されているようですが、このような報告があることも事実なので服用を検討している方は気を付けなければなりません。心配な方は、服用前に医師に相談すると安心です。

また、服用を中止するとプロペシアの効果が失われることも理解しておきたいポイントです。プロペシアは、Ⅱ型5αリダクターゼを阻害してジヒドロテストステロンの産生を抑える薬なので、服用をやめると再びジヒドロテストステロンの影響が大きくなります。よって、時間の経過とともに元の状態に戻ります。

医師に相談してほかの治療も検討

副作用が心配な方は、医師に相談して他の治療法を検討するとよいかもしれません。ただし、医学的に根拠のあるAGA治療薬は多くありません。 日本皮膚科学会が発表している「男性型および女性型脱毛診療ガイドライン 2017年版」で推奨度A(行うよう強く勧める)と評価されているのは、プロペシアの有効成分であるフィナステリドとサガーロの有効成分であるデュタステリドとリアップの有効成分であるミノキシジルだけです。いずれも副作用はあるので、プロペシアを避けたい方は医師と相談しつつ治療法を検討する必要があります。

やや推奨度は下がりますが、LED及び低出力レーザーの照射であれば、頭皮にLED及び低出力レーザーを照射するだけなので副作用の心配はありません(推奨度B/行うよう勧める)。一部の医療機関が取り扱っているので、副作用が心配な方は検討すると良いでしょう。

 

まとめ

プロペシアを服用してもニキビができることはないと考えられています。反対に、ニキビが治る可能性はあります。ニキビの原因であるジヒドロテストステロンの産生を抑制するからです。とはいえ、AGA治療薬なのでこの目的で服用することはおすすめできません。

ニキビができる副作用はありませんが、肌に関連する副作用や生殖器に関連する副作用等は報告されています。

副作用が現れた場合は、服用を中止することで治まることが多いようです。気になる症状が現れた方は、出来るだけ早く医師に相談したうえで対処しましょう。副作用を避けたい方は、他の治療法を検討することも考えられます。