フィナステリドの効果・効果が出るまでの期間を解説

現代の「男性型脱毛症(AGA)」の治療では、外用薬や飲み薬を用いるのが一般的です。「フィナステリド」は、現在、国内で認可されている2種類の内服薬のひとつで、世界的に広く使用されています。薄毛を気にする人なら、誰もが使用を検討する可能性が高いフィナステリドについて、その効果や効果が現れるまでの期間を見ていくことにしましょう。

AGA治療薬・フィナステリドの効果

AGA治療薬「フィナステリド」には、どのような効果が認められているのでしょうか。

前頭部・頭頂部の薄毛に効果!フィナステリドの発毛効果のしくみ

AGAの原因は、「ジヒドロテストロン(DHT)」という強力な男性ホルモンです。DHTが髪の毛を作る毛母細胞に作用すると、髪の成長サイクルが狂って、太く、長い毛が育たなくなり、次第に薄毛が進行します。

DHTは男性なら誰もが持っている男性ホルモンのテストステロンが、「2型5αリダクターゼ」という酵素と結びついて生成されます。フィナステリドには、この2型5αリダクターゼの働きを阻害する作用があります。2型5αリダクターゼがテストステロンと結びつきにくくなることで、DHTの量が減少。髪の成長サイクルが改善されて、再び髪が太く、長く成長するようになります。

2型5αリダクターゼは、前頭部(額の生え際付近)と頭頂部に多いため、フィナステリドは額が後退するタイプやつむじ付近の髪の毛が少なくなるタイプの薄毛に、特に効果的とされています。

約1年後の効果を調べたフィナステリドの研究結果

フィナステリドの発毛、育毛作用については、国内で臨床試験が行われ、その効果が医学的に証明されています。

臨床試験は、24歳〜50歳のAGAの男性414名を対象に行われました。被験者は、偽薬(プラセボ)を飲むグループ、フィナステリド0.2㎎を飲むグループ、フィナステリド1mgを飲むグループに分けられ、48週間(約1年)にわたって服薬を続けました。

その結果、薬を飲み始める前と比較して、頭頂部の髪の毛の状態が改善傾向にあると判定された人は、フィナステリド0.2㎎グループで54.2%、フィナステリド1mgグループで58.3%、プラセボグループで5.9%。フィナステリドを飲んでいたグループと、偽薬しか飲んでいないグループとは、明らかに頭髪の改善状況が違います。しかも、フィナステリドを飲んでいるグループでは、54〜58%の人に改善が認められており、フィナステリドの発毛、育毛効果が医学的に実証されたのです。

 

フィナステリドの効果が出るまでの期間

フィナステリドの臨床実験では1年という実験期間が設定されていましたが、実際にはどのくらいの期間で薬の効果が実感できるのでしょうか。

フィナステリドの効果を実感するのはいつから?

フィナステリドを有効成分とする「プロペシア」という薬の添付文書には、「3カ月間の服用で効果が現れることもあるものの、薬の効果が確認できるまでには、通常6カ月間、毎日内服する必要がある」と記載されています。これだけの期間が必要なのは、前項でご紹介したように、フィナステリドが2型5αリダクターゼに作用して、髪の成長サイクルを改善させる薬だからです。

フィナステリドによって2型5αリダクターゼの働きが阻害され、AGAの原因物質・DHTが減少して成長サイクルが改善されたとしても、すぐに髪の毛の状態が改善されるわけではありません。髪の毛が生えるまでには一定の期間が必要です。さらに、成長サイクルは一本ごとに異なるので、ある程度改善が進んで効果が実感できるまでには少なくとも6カ月程度の時間が必要なのです。

なかには、効果を実感するまで2年かかったという報告もあります。フィナステリドを飲み始めても効果が現れないという場合でも、すぐに服用を中止するのではなく、6カ月間は続けてみることが大切です。

 

フィナステリドの効果がないこともある

フィナステリドは医学的に発毛、育毛効果が認められています。しかし、服用すれば必ず効果が現れるとは限りません。

フィナステリドの効果はすべての人に同じく出るわけではない

どれほど効果の高い薬でも、服用したすべての人に同じ効果が期待できるということはありません。先にご紹介したフィナステリドの臨床実験では、半分強の人に明らかな改善結果がみられましたが、それ以外の人には改善が見られないか、改善の度合いが小さかったということです。

フィナステリドの効果が現れるまでには6カ月以上の継続服用が必要とされていますが、1年間飲み続けても効果が現れないケースは、やはりあるということです。

フィナステリドが効かない薄毛である可能性も

フィナステリドはAGAの治療に効果が認められている飲み薬です。一定の期間、フィナステリドを服用しても、効果が認められない場合は、AGA以外の脱毛症によって薄毛が起こっている可能性が考えられます。

AGA以外で男性に見られる脱毛症には、円形脱毛症、脂漏性脱毛症、抜毛症などがあります。

円形脱毛症はある日突然、“10円ハゲ”などともいわれる円形や楕円形の脱毛が起こる症状です。詳しい発症のメカニズムは明らかになっていませんが、自己免疫機能のトラブルが関係しているとされ、当然のことながらAGAの治療薬では効果は期待できません。

一方、脂漏性脱毛症は、過剰な皮脂が原因となって起こります。増え過ぎた皮脂が毛穴をふさぎ、炎症が起こって髪の毛の健康な成育が妨げられることで、薄毛、抜け毛が目立つようになります。AGAとは発症のしくみがまったく違うので、フィナステリドは役に立ちません。

抜毛症は他の脱毛症とは異なり、ストレスや不安が原因で自分の髪を無意識に抜いてしまう精神疾患のひとつです。AGAの治療薬ではなく、メンタルな治療やケアが必要な疾患です。

フィナステリドの効果なしと感じたら医師に相談

フィナステリドの効果が現れないという場合、薬の効きを阻害する要因がないかチェックしてみてください。

フィナステリドは毎日1回、決まった時間に服用することで効果が期待できる薬です。このため、生活習慣が乱れて、服用時間がまちまちになったり、服用しない日があったりすると、やはり十分な効果は期待できません。生活習慣の乱れは髪の毛の成育にも悪影響を与えるので、規則正しい生活を心がけて、決まった時間に薬を飲むようにしてください。

また、インターネット通販などを使って個人輸入したフィナステリドは、効果や安全性が保証されていません。ひどい場合には、偽物が販売されているケースもあるようです。AGAの治療薬を使う場合は、必ず国内の医療機関を受診して、医師に処方してもらったものを使用するようにしてください。

上記のような阻害要因をなくしても、フィナステリドの効果が現れないという場合は、いったん服用を中止して医師に相談することをおすすめします。特に、AGA以外の脱毛症が疑われる場合は、自己判断してしまうのは危険です。誤った対策は、薄毛、抜け毛を悪化させてしまうおそれもあります。とりわけ、AGAでもフィナステリドが効きにくいというケースでは、効果のない対策を続けているうちに症状が進行することも考えられます。

 

まとめ

フィナステリドは、AGA治療薬として国内で認可されている2種類の飲み薬のひとつです。AGAの原因物質・DHTを作り出す酵素に働きかけて、髪の毛の成長サイクルを正常に戻し、発毛、育毛につなげます。国内での臨床実験でも、その効果が認められており、1年間の継続服用で半数以上に人に、頭頂部の髪の毛の状態に改善が見られました。

効果が現れるまでには、服用開始から6カ月程度は必要なので、効果が現れない場合でもすぐに服用をやめてしまわずに、6カ月間は服用を続けてみると良いでしょう。

ただし、長期間にわたって効果が確認できない場合は、他の脱毛症が薄毛の原因になっている可能性もあります。こうした場合は、自己判断せずに医師に相談することをおすすめします。