フィナステリドの初期脱毛について〜脱毛する期間は?脱毛がない場合もある?

「男性型脱毛症(AGA)」の飲み薬「フィナステリド」を使うと、初期脱毛が起こるといわれています。薄毛を改善するために薬を飲んでいるのに、脱毛するのでは意味がないと考えがちですが、フィナステリドの初期脱毛は実は悪いことではないのです。なぜ初期脱毛が起こるのか、どれくらいの期間で改善するのかなどについて解説しましょう。

AGA治療薬・フィナステリドで起こり得る「初期脱毛」

「フィナステリド」はAGA治療に広く使用されている飲み薬ですが、服用を開始すると初期段階で脱毛が起こる可能性があります。

初期脱毛ってどういう現象?

初期脱毛とは、その名の通り、薬を飲み始めた直後に毛が抜けてしまうことです。フィナステリドの初期脱毛は比較的よく知られており、AGA治療を考えたことがある人なら、一度は見聞きしたことがある言葉だと思います。初期脱毛の期間は、1日あたり平均で500本程度の抜け毛が見られます。薬

を飲んでいない人の1日あたりの抜け毛は平均で80〜100本といわれているので、500本というのはやはり驚いたり、心配になったりする量です。実際に、初期脱毛で薄毛が一気に進んだような状態になることもあります。

初期脱毛が起こるしくみ

フィナステリドを飲むと、なぜ初期脱毛が起こる可能性があるのでしょうか。

AGAは髪の毛の成長サイクルが乱れて、髪が太く、長く育ちにくくなった状態です。「弱毛(じゃくもう)」と呼ばれる細く、短い髪の割合が次第に多くなって、薄毛が目立つようになります。

AGAの人がフィナステリドを服用すると、薬の成分が髪の毛を育てる毛母細胞に作用します。すると、細胞の活動が活発化されて、休止状態で髪の成長が止まっていた毛穴にも新しい髪の毛が生えてきます。髪の成育が再開された毛穴に古い髪の毛が残っていた場合は、成長してきた新しい髪に押し出されるようにして、古い髪が抜け落ちます。これが初期脱毛で髪が抜けるしくみです。成長サイクルは一本一本の髪によって異なるので、寿命を終えた髪は本来順番に抜け落ちます。しかし、薬によって毛母細胞が一気に活性化されて古くなった髪が短期間に抜け落ちてしまうので、脱毛が目立つというわけです。

初期脱毛がない人もあり明確な副作用とはいえない

フィナステリドは、薄毛を改善するために服用する薬です。薬を飲むことで脱毛が起こるのは、致命的な副作用だと思うのも仕方ないことです。しかし、初期脱毛の現れ方には個人差があり、いきなり大量の抜け毛が見られる人もいれば、まったく脱毛が起こらない人もいます。

前項でご紹介したように、フィナステリドの初期脱毛で抜け落ちるのは、役割を終えた古い髪の毛です。薬を飲み始めた段階で寿命を迎えた髪が多ければ、当然抜け毛も多くなります。また、新しく元気な髪が成長するために、不要な髪が抜け落ちるので、初期脱毛は明らかな副作用ではないと考えられます。むしろ、薬によって毛母細胞の働きが再開され、新しい髪が成長する準備段階だと考えるべきです。

薬を飲んでいるのに多くの脱毛があると、深刻にとらえてしまいがちです。しかし、古くなった弱毛の後には、元気な髪が生えてくる可能性が高いので、心配はいりません。

 

フィナステリドの初期脱毛の期間

フィナステリドの初期脱毛は、いつごろから始まり、脱毛はどれくらいの期間続くのでしょうか。

フィナステリド服用直後〜1ヶ月目に起こる可能性がある

フィナステリドの初期脱毛は現れ方に個人差があり、季節の影響も受けることがわかっています。このため、いつ始まるのか一概にはいえませんが、薬を飲み始めて1〜2週間で脱毛が始まるケースが一般的です。

人の髪の毛は頭全体でおよそ10万本あります。このうち、初期脱毛の影響を受ける可能性がある、休止している毛穴は全体のおよそ10〜15%。毛穴に髪が残っているかどうかについては個人差がありますが、頭全体で1万〜1万5千本の髪が初期脱毛で抜け落ちる可能性があるということです。

フィナステリド服用1ヶ月〜1ヶ月半で初期脱毛は治まる可能性

引用開始後1〜2週間で始まることが多いとされるフィナステリドの初期脱毛は、どれくらいの期間続くのでしょうか。これについても、個人差や季節の影響などがあって一概にはいえませんが、服用開始後1ヶ月〜1ヶ月半で収まるケースが多いようです。もっとも、初期脱毛が長期化して数ヶ月以上も続いたという報告もあるので、1ヶ月を過ぎてもそれほど深刻にとらえる必要はないでしょう。

大切なのは、抜け毛が気になるからと初期脱毛の期間にフィナステリドの服用を止めてしまわないことです。初期脱毛の期間が終われば、新しく元気な髪が生えてくる可能性があります。それなのに、薬を飲まなくなると、髪の毛の成長サイクルが乱れた状態に戻って、発毛効果が期待できません。初期脱毛の状態を乗り切れるかどうか心配という人は、服用開始前にできるだけ短髪にするなど、脱毛を目立たせない工夫をしてみましょう。

 

フィナステリド以外が脱毛の原因になっている可能性も

フィナステリドを服用していて脱毛が見られると、「初期脱毛」と考えるのが自然です。しかし、脱毛の中にはフィナステリド以外が原因になっている例があります。

フィナステリド以外の薬でも初期脱毛が起こり得る

服用を開始して1~2ヶ月の間に脱毛が見られるのは、フィナステリドだけではありません。フィナステリドと同じく、国内で認可されているAGA治療の有効成分「デュタステリド」でも、同様の初期脱毛が見られることがあります。

デュタステリドは「サガーロ」という名前で販売されています。また、内服薬と併用されることが多い外用薬のミノキシジルでも、初期脱毛の可能性があります。ミノキシジルは医療機関で処方されるほか、「リアップ」という名前で、薬剤師のいる薬局、ドラッグストアなどでも市販されています。

薬と関係なく別の脱毛症である可能性も

飲み薬の服用開始後に初期脱毛が見られたという場合でも、原因は薬ではなく、他の脱毛症によって脱毛が起こっているという可能性は無視できません。

男性に多いAGA以外の脱毛症には、円形脱毛症、脂漏性脱毛症、びまん性脱毛症などです。円形脱毛症は、ある日突然、円形や楕円形の脱毛部部分が現れるのが特徴で、“10円ハゲ”ともいわれています。円形脱毛症の治療に用いられることがある、「塩化カルプロニウム」を主成分とする「アロビックス」とい外用薬には、初期脱毛が起こる可能性があるという考え方もあります。

一方、脂漏性脱毛症は、頭皮の皮脂が過剰になって、毛穴をふさいでしまうことで起こる脱毛症です。炎症が起こって、頭皮の赤み、かゆみなどを伴うので、こうした症状が見られる場合は皮膚科を受診しましょう。

また、びまん性脱毛症は髪が全体に薄くなるのが特徴です。本来は女性に多い脱毛症ですが、頭皮の衰えなどにより男性に発症するケースもあります。さまざまな原因によって起こり、症状や適した治療法も異なるので、自己判断せずに皮膚科を受診することをおすすめします。

 

まとめ

「男性型脱毛症(AGA)」の治療に用いられる飲み薬「フィナステリド」には、初期脱毛が起こる可能性があります。症状の現れ方には個人差があり、なかにはまったく脱毛が見られない人もいますが、引用開始後1〜2週間で脱毛が始まり、1ヶ月〜1ヶ月半で治まるケースが一般的です。

抜け毛の本数は1日あたり500本程度。薬を飲んでいない人の平均的な抜け毛の本数が80〜100本程度なので、場合によっては薄毛が一気に目立つようになる可能性も否定できません。

フィナステリドの初期脱毛は、薬の効果が髪の毛を育てる毛母細胞に及んで、新しい髪の毛が生えてくる準備をしている段階です。元気な髪を育てるために、もともと生えていた細く、短い髪が抜け落ちているのです。このため、脱毛が見られても必要以上に気にしたり、薬を止めてしまったりしないことが大切です。