薄毛(AGA)の診断基準と診断方法とは?病院へ行くべきかの基準もチェック

テレビCMやネットで情報が広がったことにより、いまやAGAは薄毛の代表格として認知されています。ただ、すべての薄毛の原因がAGAなのかというと、そうではありません。薄毛の原因は多数ありますし、AGAには診断基準があります。病院で行われるAGAの診断方法や、AGAと診断される基準などを学んでいきましょう。

男性の薄毛「AGA」の診断基準

本文のはじめに、AGAの診断基準の基本を押さえておきましょう。日本の医療におけるAGA診断の現状や、国際的な診断基準を解説します。

日本のAGA診療ガイドラインには明確な診断基準はない

いきなり拍子抜けしてしまうかもしれませんが、日本の医療には、AGAの明確な診断基準はありません。 AGAの定義については、日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」に記載されています。

ただ、このガイドラインにおいても、AGAの診断基準は明示されていません。 詳しくは後述しますが、日本の医院では、問診や検査を行ったうえで医師がAGAか否かを判断しているのが現状です。

国際基準は「薄毛部分に20%軟毛化」がある

前述のガイドラインには記載されていないものの、国際的なAGAの基準は存在します。

国際的なAGAの基準は、「薄毛部分に20%の軟毛化」が見られること。 「軟毛化」とは、ヘアサイクルの乱れによって、髪の成長が妨げられている状態を指します。

ここで簡単に、AGAのメカニズムと軟毛化について解説しておきましょう。 AGAは、「DHT(ジヒドロテストステロン)」の影響で発症する薄毛です。DHTは、体毛の発育に影響を与える男性ホルモン。DHTが頭皮のレセプター(受容体)と結びつくと、毛包(毛を作り出す器官)のミニチュア化が起こります。 毛包がミニチュア化すると、ヘアサイクル(髪の成長周期)が短縮されて、髪が正常に育たない状態に。この結果として起こるのが軟毛化です。軟毛化した毛は通常の毛よりも細く、ハリやコシがありません。 また、毛包のミニチュア化が進むと、毛が成長途中で抜けるようになります。つまりAGAが進行すると、細く短い毛が増えて、頭皮の露出が目立つようになるのです。

以上が、AGAのメカニズムおよび、軟毛化から薄毛にいたるまでの流れです。 なお、「薄毛部分の軟毛化20%」は国際的な基準ですが、国内の医院においてもAGAの判断基準になる場合があります。軟毛化がAGAの症状であることは、国や人種が違っても変わりません。

 

病院では何を基準に診断するのか

前節で触れたように、AGAの診断は医師が独自に行っています。では医師たちは、どのようなことを基準にして、AGAを診断しているのでしょうか。

問診で遺伝の可能性や進行具合をチェック

ほかの病気の診察と同様に、AGAの初診は問診から始まります。診察前に、問診票の記入を求める医院も少なくありません。問診でたずねられるのは、以下のような点です。

・抜け毛や薄毛が気になり出した時期

・抜け毛や薄毛が気になる部分

・現在育毛剤を使用しているかどうか

・現在治療中の病気

・現在服用している薬

・家族に薄毛の人がいるかどうか

・家族の病歴

これら質問に対する回答は診断の材料になりますし、治療方針を決めるための情報としても役立てられます。

問診の内容について、少し補足しておきましょう。「現在治療中の病気」は、薄毛の原因を絞り込むために問われます。病気が原因で薄毛になる場合もあるため、こうした質問がされるのです。

「現在服用中の薬」は、処方する治療薬を選定するための情報です。この質問により、医薬品の飲み合わせによる副作用を防ぐことができます。 家族の薄毛や病歴は、遺伝的にAGAのリスクが高いかどうかを知るための手がかりになります。母方の祖父が薄毛の場合は、遺伝的にAGAの発症リスクが高いと思ってください。

以上の問診に対する回答は、医師がカウンセリングを行う際の参考になります。問診には、できるだけ正確に回答しましょう。 なお、AGA専門クリニックの中には、ホームページで問診を行っている院もあります。医院によって問診の方式は異なるので、訪院する前に調べておくことをおすすめします。

視診で頭頂部や前頭部など薄毛の箇所をチェック

前述の問診に続いて行われるのが、視診による薄毛箇所のチェックです。重点的にチェックされるのは、前頭部(髪の生え際)や頭頂部。これら部位はDHTの濃度が高く、AGAが発症しやすい場所とされています。

視診では拡大鏡が用いられるほか、より詳しいチェックのためにマイクロスコープが使用される場合もあります。ただ、視診はあくまで頭皮の状態を調べるためのものです。いかに医師といえども、頭皮を見ただけでAGAを見極めることはできません。

血液検査で肝機能を確認

問診や視診でAGAの可能性が高いと判断されたら、血液検査が実施されます。血液検査の主な目的は、健康状態と肝機能のチェック。AGA治療薬は肝臓に負担を与える場合があるため、肝機能は入念にチェックされます。

このほかAGA専門クリニックでは、遺伝子検査を勧められる場合があります。遺伝子検査の結果からは、AGA治療薬の有効性を知ることが可能。ひいては、より効果的な治療法を知ることもできます。

なお、血液検査や遺伝子検査を受けると、診察代に検査費用が上乗せされます。検査費用の相場は、血液検査が5,000円前後、遺伝子検査が2万円前後です。遺伝子検査はとくに高額なので、受けるか否かは慎重に判断しましょう。

最終的には医師が総合的に診断

ここまでに解説した問診や検査は、すべてAGAの診断を行うための材料です。すべての材料を総合したうえで、最終的な診断は医師が下します。先に述べたように、診断の基準は医師によって異なると思ってください。

AGAと診断がついた場合は、医師から治療が提案されます。皮膚科や内科などの一般的な医院で診察を受けた場合、提案される治療はAGA治療薬の処方のみです。 一方、AGA専門クリニックの場合だと、AGA治療薬の処方のほかに専門的な治療が提案されることもあります。

AGAの専門的治療法としてあげられるのは、「メソセラピー」や「HARG療法」など。メソセラピーとHARG療法は、どちらも頭皮に治療薬を注射する治療方法です。 これら専門的治療は費用が高額ですし、必ずしも高い効果を得られるわけではありません。このため、治療方法の選択は、費用対効果も考慮して行う必要があります。

 

病院へ行くべきかの薄毛の基準は

前節までに見てきたように、病院へ行けばAGAの診断を受けることができます。ただ、「わざわざ病院へ行くべきなのか?と、訪院を迷っている人も多いはず。AGA診察のために病院へ行くべきかどうかは、何を基準に決めればよいのでしょうか。

薄毛で病院へ行くべきかは自分でチェックできる

薄毛の診察のために病院へ行くべきか否かは、自分で判断できます。判断基準となるのは、普段の生活習慣と「薄毛のセルフチェック」です。

セルフチェックについては後述するとして、まずは薄毛になりやすい生活習慣を解説します。以下の中にあてはまるものがないか、直近の生活を振り返ってチェックしてみてください。

・食生活が偏っている

・睡眠不足が続いている

・ストレスが溜まっている

・喫煙している

・飲酒量が多い

これらはいずれも薄毛の原因となる生活習慣であり、中にはAGAを悪化させるものもあります。上記の生活習慣にあてはまるものが多いなら、健康管理のためにも診察を受けたほうが賢明です。

薄毛のセルフチェック!病院へ行くべき基準とは

「薄毛のセルフチェック」では、以下4つのポイントをチェックします。

・髪のコシがなくなった(軟毛化)

・抜け毛が目立つ

・髪のボリュームが以前より減った

・前頭部や頭頂部の髪が薄くなった

上記のうち1つでも該当するものがあるなら、病院でAGAの診察を受けるべきだといえます。髪のコシがなくなる軟毛化は、先に解説したとおりAGAの初期症状です。

抜け毛については、確認すべきポイントがあります。もし、抜けた髪が長くて太い場合は、薄毛を過度に心配する必要はありません。 一方、あまり成長していない毛が大量に抜けている場合は要注意。DHTの影響により、ヘアサイクルが乱れている可能性があります。 髪がボリュームダウンしていたり、あきらかに薄くなったりしているなら、迷っている場合ではありません。いち早く病院へ行き、AGAの診察を受けてください。

 

まとめ

AGA発症の判断基準には、まだ曖昧な部分があるのが現状です。とはいえ、AGA治療の技術が日進月歩で進化していることも事実。薄毛を心配しているなら、まずは医師に相談してみてください。早めの相談が、薄毛悪化の予防につながります。

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