AGA治療の種類や費用・効果が現れるまでの期間

「男性型脱毛症(AGA)」に悩む男性は多く、さまざまな治療法が開発、適用されています。しかし、治療を受けたいと思っても、どんな治療法があるのか、費用はどれくらいかかるのか、どれくらいの期間治療を続けなければならないか、きちんとわかっている人は少ないのが現状です。そこで、AGA治療の種類、機関、費用についてまとめました。

AGA治療の目的

AGAの治療は、薄毛に悩む男性の髪の毛をどんな状態にすることをめざして行われるのでしょうか。

AGA治療は進行遅延と発毛が目的

AGAは思春期以降に発症し、治療を行わなければ確実に進行する脱毛症です。このため、AGAの進行を食い止めること、さらに薄毛になってしまった部分に発毛を促すことが治療の目的になります。

何もせずに放置した場合、5年で進度が一段階進むといわれ、治療を行えば10年で進度を一段階戻せるともいわれています。抜け毛の増加、額の後退、頭頂部の薄毛など、AGA特有の症状に気づいたら、できるだけ早く治療を開始しましょう。

 

AGA治療の種類と効果が現れるまでの期間

AGAにはさまざまな治療法があります。代表的な治療法について、どのような治療を行うのか、効果が現れるまでどれくらいかかるのかを解説します。

AGA治療(1)薬での治療

AGAの治療法のなかで、最も一般的で多くの医療期間で行なわれているのが薬を使った治療です。

現在、国内でAGA治療への使用が認められている飲み薬は、フィナステリドという有効成分を配合した「プロペシア」、デュタステリドをした配合「サガーロ」の2種類。プロペシアにはジェネリック医薬品もあります。また、後発のサガーロはプロペシアで効果が見られない人にも効果が期待できるといわれています。このほか、ミノキシジルという有効成分を配合した外用薬が併用されることもあります。

効果が現れるまでの期間は個人差がありますが、早い人で3カ月、通常、半年以上は薬を続けないと効果は現れにくいといわれています。また、場合によっては1年近くかかるケースもあるようなので、効果が実感できないからといって、すぐに使用を中止するのはおすすめしません。さ

らに注意したいのは、こうした治療薬はAGAを完治させるものではないということです。前述のようにAGAは進行性の脱毛症なので、薬の使用をやめると症状が再発するおそれがあります。

AGA治療(2)HARG療法

「HARG(ハーグ)療法」は注入療法の一種で、頭皮に直接薬液を注入することで、発毛をめざす治療法です。近年はさまざまな薬液が開発されていますが、HARG療法の場合は、人間の細胞から抽出した成長因子と髪の生育に役立つビタミンなどを配合した「HARGカクテル」と呼ばれる薬液を注入します。

薬液を注射する際に痛みが伴うのが難点で、麻酔を使用するケースもありますが、最近は痛みの少ない注入法を取り入れているクリニックもあります。効果が現れるまでの期間は、平均で3カ月といわれています。

AGA治療(3)育毛メソセラピー

「育毛メソセラピー」も、HARG療法と同様に薬剤を注入する治療法です。1950年代の初めにフランスで開発された美容のための治療法、メソセラピーが薄毛の治療に応用されたものです。発毛を促す効果が期待できるグロースファクターと呼ばれる特殊なタンパク質を頭皮に注射して、髪の毛を作る細胞を活性化させることで、薄毛の改善をめざします。

前述のAGA治療薬の服用と並行して行われるのが一般的で、グロースファクター以外にも、髪のコンディションを整えるとされるコエンザイムQ10やヒアルロン酸などが注入されるケースもあります。最近は、痛みの少ない施術法も開発されています。効果が現れるまでの期間は、他の治療法と同様に個人差がありますが、半年間が目安といわれています。

AGA治療(4)植毛治療

植毛治療は、後頭部の髪の毛を根元から採取して、薄毛の気になる部分に植毛するという治療法です。AGAはDHT(ジヒドロテストステロン)という強力な男性ホルモンが原因で発症します。

DHTは額の生え際や頭頂部に多いため、薄毛は生え際や頭頂部から始まって次第に進行します。しかし、DHTは後頭部の髪の毛に対してはあまり影響を及ぼさないことから、後頭部から薄毛部分への植毛が可能なのです。AGA治療薬を用いた治療で効果が現れない人にも有効な治療法で、植毛した髪の定着率はおよそ95%。日本皮膚科学会のAGA治療ガイドラインでもBランクの評価を受けています。

ただし、現在のところ施術を受けられる施設は少なく、傷跡が残るなど問題があるのも事実です。また、AGAの進行を食い止められるわけではないので、並行して薬を使った治療を続ける必要があります。

 

AGAの治療はどこで受けられる?

AGAの治療は一般の病院や皮膚科、薄毛専門クリニックで受けることができます。 病院やクリニックでは、一般的に皮膚科が薄毛治療を担当しています。ただし、治療に対応していないところもあるので、事前に確認してください 。

皮膚科は薬でのAGA治療が主

病院の皮膚科や皮膚科のクリニックでは、AGA治療の中心は薬を用いた薬剤療法です。頭皮に薬剤を注入する治療法などは、通常は行なわれていません。治療薬として処方されるのは、前述のプロペシア、サガーロという2種類の飲み薬と、ミノキシジルを配合した外用薬。医療期間によって異なりますが、通常は問診、診察の結果によって1カ月分の薬が処方され、問題がない場合には継続して薬が処方されます。また、治療はAGAの進行を食い止めることに重点が置かれているのが特徴です。

専門的なAGA治療なら専門クリニック

AGA治療についての実績が豊富で、治療に精通した医師の診療を受けられるのが薄毛専門クリニックです。通常は最初にカウンセリングと血液検査などが行われ、その人の症状やこれまでの経緯、治療に対する希望、治療薬に対するアレルギーの有無などを明らかにした上で、治療が開始されます。このため、一人一人に適した治療を受けられるのがメリットです。

また、薬を用いた治療の他に、健康な髪の毛を育てる生活習慣などについてアドバイスを受けることができます。クリニックによっては頭皮への注入療法や植毛に対応しているところもあります。

 

AGA治療の費用について

AGAの治療を受けるとなると、やはり気になるのは費用の問題です。

AGA治療費用の相場は?保険適用される?

AGAは生命に危機を及ぼす疾患やケガではなく、治療はあくまで美容目的になります。このため、AGA治療に対しては基本的に健康保険は適用されず、すべて自費での診療となります。

薬を用いた治療の場合、プロペシアで1カ月あたりの薬代は5〜7千円、サガーロなら8千円〜1万円、ミニキシジル配合の外用薬は8千円〜1万円が相場です。例えば、プロペシアとミノキシジルを併用した場合、1カ月あたりの薬代は1万3千円〜1万7千円となります。

HARG療法、育毛メソセラピーについては、医療機関によって使用される薬剤や装置が異なります。HARG療法の場合で1回あたり8万〜20万円、育毛メソセラピーは1回2万〜10万円が相場です。一方、植毛治療は植毛範囲が狭いなら30〜40万円が相場ですが、AGAが進行して植毛が広範囲にわたると200〜300万円の費用が必要になる例もあります。

AGA治療は医療費控除の対象になる?

医療費控除は一定額を超える医療費を支払った人に対して、税金が控除されるという制度です。現在は年間の医療費が10万円を超えた場合に、超過分に対して確定申告の際に医療費控除を申告することができます。しかし、残念ながらAGAの治療費については、医療費控除の対象にはなりません。健康保険が適用されないのと同じ理由で、AGA治療があくまで美容目的で行われるからです。

 

まとめ

「男性型脱毛症(AGA)」の治療には、さまざまな方法があります。多くの医療機関で実施されている薬を用いた治療法もあれば、頭皮に薬剤を注入する方法や、自分の髪の毛を移植する植毛治療という選択肢もあります。それぞれにメリット、デメリットがあり、治療を受けられる医療機関も、病院、一般クリニック、専門クリニックという選択肢があります。希望する治療法が自分の症状に適しているかどうというマッチングも大切な条件です。

さらに、健康保険が適用されないAGA治療にとっては、費用も非常に重要な検討課題といえます。それぞれの治療法や医療機関の特徴などをしっかり理解し、十分な説明を聞いて納得した上で、治療を受けるようにしましょう。