体臭ってうつるの?

「体臭がうつるから近寄らないで!」なんて、女性に言われたら大ショックですよね。ただ、「体臭のする人と一緒にいると、自分まで臭くなるのではないか」という気持ちは、わからないでもありません。はたして体臭は、病気のように人にうつるのでしょうか?疑問の答えに迫ってみましょう。

体臭って人にうつるの?

わきがを含め体臭体質はうつらない

冒頭の疑問に答えると、体臭の原因は体質であり、他人にうつることはありません。ごく当たり前のことですが、体質は病気ではないため、感染することはないのです。

たとえば、代表的な体臭である「わきが」を例に考えてみましょう。わきがは、アポクリン腺という汗腺(汗の出る器官)から出る汗が原因で生じる体臭です。 通常の汗とは違い、アポクリン腺から分泌される汗には、脂肪酸や鉄分、アンモニアなどが含まれています。これら成分が含まれているため、アポクリン腺から出る汗は、わきがの原因となるのです。 わきがの人は、一般的な人よりもアポクリン腺の数が多く、かつ汗の分泌が活発であることがわかっています。

では、わきがの人と一緒いる人もアポクリン腺の数が増え、汗がたくさん出るようになるのかというと、答えはもちろんNOです。 誰かと一緒にいるだけで体の構造が変化する、などということはあり得ません。わきがの場合と同様に、多くの体臭は体質(あるいは生活習慣)が原因で発生します。こうした体臭が原因ごと他人にうつることは、基本的にあり得ないのです。

感染はしないがわきがは遺伝する

体質的な体臭は感染しません。ただし、遺伝となると話は別です。たとえば、わきがは高い確率で遺伝することがわかっています。

遺伝する確率は、片親がわきがの場合で50%、両親がわきがの場合は75%。わきがは高い確率で、子供に遺伝するのです。 …このようにいうと、わきがの自覚がある人は「オレの子供もわきがになるのか…」と、ショックを感じることでしょう。しかし、過度に心配する必要はありません。 というのも、わきがは病院で治療できるからです。仮にお子さんがわきがで悩むことになったら、病院で治せることを教えてあげてください。

ちなみに、本来わきがには、フェロモンの役割があったと考えられています。つまり、わきがの男性は、異性を惹きつける遺伝子を引き継いでいるといえるのです。 わきがは、現代の日本人女性には受け入れられない要素かもしれません。とはいえ、それは時代と体質がマッチしなかっただけのこと。体質が原因のわきがに、過度のコンプレックスを感じる必要はありません。

 

なぜ体臭がうつったと感じるのか

前節で解説したとおり、体臭は他人にはうつりません。ただ、恋人や妻に、「あなたの体臭がうつった!」といわれた経験のある男性も多いことでしょう。 なぜ彼女たちは、このような事実無根の発言をするのでしょうか。体臭がうつったと感じる原因に迫ってみましょう。

におい物質の付着

どんな体臭にも、元となる原因物質(=におい物質)が存在します。このにおい物質が他人に付着すれば、その人からも同じにおいが出ます。これが、体臭がうつると感じる理由です。

たとえば、わきがの人の皮膚や衣服には「ノネナール」という、においの原因物質が付着しています。このノネナールが他人に付着すると、その人は「体臭がうつった」と感じるのです。 とはいえ、うつったにおいは一過性のものであり、時間が経てば消えてなくなります。ノネナールが皮膚に定着して増殖する、といった現象は起きません。

ノネナールは、体質が原因で発生する物質です。他人にうつることは、生化学的にあり得ません。 …とはいえ、このように理屈を述べても、多くの女性は納得してくれないことでしょう。体臭がうつらないことは頭でわかっても、自身においがつくことには我慢できない人が多いはずです。 近くにいる人に体臭がうつることを避けるには、衣服ににおい物質を残さないことが肝要。次節では、衣類に付着したにおいの原因物質を落とすための、洗濯テクニックを解説します。

 

におい物質を残さないための洗濯方法

入浴剤は体の外側からアプローチする方法ですが、入浴方法を工夫することは内側からのアプローチになります。外側をいくら気をつけていても、体の内側に体臭の要因を残してしまっては片手落ちです。体臭予防に繋がる入浴方法を知って、より完璧に近い体臭予防を目指してみてください。

わきがの場合の洗濯方法

わきがのにおいは、酸素系漂白剤を使った浸け置き洗いで落とすことができます。浸け置きに使用する漂白剤は、衣類の種類に応じて変えてください。通常の洗濯をする衣類には粉末の漂白剤を、色柄ものやドライマーク衣類には、液体漂白剤を使用します。

また、衣類の浸け置きには、30〜50度程度のお湯を使ってください。お湯を使うことで、わきがの原因物質が落ちやすくなります。 浸け置きする時間は、30分から1時間程度が適切です。ただし、デリケートな衣類は、浸け置き時間を10分程度に短縮してください。浸け置きが済んだら、普段どおりの方法で洗濯して自然乾燥させましょう。

汗臭の場合の洗濯方法

衣服に染み付いた汗臭は、粉末の漂白剤で浸け置きすることで落とせます。

浸け置きの方法は、わきがの場合とほぼ同じです。 まず、30〜40度のお湯を用意して、その中に洗濯洗剤と粉末漂白剤を投入し、かき混ぜてください。使用する洗濯洗剤は、漂白剤と同様に粉末のものがおすすめです。 続いて、お湯の中に衣類を入れて、30分〜1時間ほど浸け置きします。あとは普段どおりの洗濯をすれば、浸け置きは完了です。

…以上が汗臭のついた衣類の基本的な洗濯方法ですが、においが強く染みついている場合は、浸け置きだけでは不十分かもしれません。もし、浸け置きで汗のにおいが落ちなかった場合は、熱湯洗濯も試してみてください。 熱湯洗濯とは、60度以上のお湯を使って、汗臭の原因である皮脂を落とす洗濯方法です。実践方法は、洗剤を混ぜた熱いお湯に、衣類を浸けておくだけと簡単。ただし、お湯が冷めないように、浸け置き中はときおり熱湯を継ぎ足さなければなりません。 湯温を見ながら1時間ほど浸け置きすれば、熱湯洗濯は完了します。あとは通常の浸け置きと同様に、通常の洗濯を行ってください。

加齢臭の場合の洗濯方法

衣類に染みついた加齢臭も、浸け置きで落とすことができます。ただし加齢臭は、汗臭ほど簡単には落ちてくれません。 そこで、加齢臭がついた衣類の浸け置きには、弱アルカリ性の液体洗剤を使用します。液体洗剤は線維の奥まで浸透しますし、弱アルカリ性洗剤は加齢臭の原因である皮脂をしっかり洗浄してくれます。この両方の効果をもつのが、液体の弱アルカリ性洗剤というわけです。

ただ、一般的な液体洗剤の多くは中性であり、弱アルカリ性のものは見つかりにくいかもしれません。ご近所のお店に弱アルカリ性の液体洗剤が置いていない場合は、ネットショップでライオンの「液体部屋干しトップ」を探してみてください。液体部屋干しトップは、液体で弱アルカリ性の洗濯洗剤。皮脂汚れを分解する「酵素」も含まれているため、服に染み付いた加齢臭対策に最適です。

加齢臭を落とすための浸け置きの方法は、ここまでに解説したものとほぼ変わりません。40度程度のお湯に液体洗剤と漂白剤を溶かして、衣類を浸け置きします。 以上の方法で加齢臭が落ちない場合は、浸け置き前に漂白剤を衣類に直接塗布してみてください。襟の内側や背中部分などに漂白剤を塗っておくと、においが落ちやすくなります。

 

まとめ

本文で解説したように、体臭が他人にうつることはありません。ただ、身近な人に体臭を指摘されるのはつらいものです。 脂っぽい食べ物の摂取を少なくするだけでも、体臭は抑えられます。体臭が強いと感じるなら、衣類を洗濯すると同時に、食生活にも気を配ってみてください。