体臭がにおう人が職場にいるときの正しい対策・対応とは

職場に体臭が強い人がいると、気になって仕事に集中できなくなりますよね。とはいえ、大人のメンズとしては、臭いを放っている本人に「おまえ臭いぞ!」と言うわけにもいきません。 では、体臭がキツい人に対しては、どのような対応をすればよいのでしょうか。正しい対策・対応方法を探っていきましょう。

同じ職場の人の体臭が悩み…

体臭もハラスメントになる

職場に強い体臭を漂わせる行為は、「ハラスメント」にあたる場合があります。

ハラスメントとは、人を悩ませる行為や嫌がらせのこと。においに関するハラスメントは、「スメルハラスメント(スメハラ)」と呼ばれます。 五感に影響を与えるもののなかでも、においはハラスメントとして受け取られやすい刺激です。というのも、人間を含めたほとんどの生物にとって、嗅覚は最重要といえる感覚だからです。

古来より生物は、嗅覚を頼りに身を守ったり、食べ物を探したりして生き延びてきました。その名残は、現代人の習慣でも確認できます。たとえば、手についたもののにおいを無意識に嗅いでしまうクセは、危険を察知しようとする生物本来の習性の名残です。

また人間は、同族であるほかの人間(=他人)のにおいに敏感です。嗅覚で仲間を識別する習性を先祖より引き継いでいるため、人間は他人のにおいに強く反応します。

このように、においは生物的な本能を刺激するものであり、他人が発する体臭に対して、人は敏感にならざるを得ません。こうした理由から、不快な体臭はハラスメントとして受け取られやすいのです。

実際は「注意しにくい」と感じる人が大多数

体臭が職場を不快にさせ、かつ業務に支障をおよぼしているとしても、においを出している本人にそのことを指摘できるでしょうか。このように聞くと、多くの人が「NO」と答えることでしょう。 実際、「株式会社マンダム」の行ったにおいに関するアンケートでは、回答者の9割以上が「他人の体臭を注意しにくい」と答えています。 体臭を注意・指摘することは、相手の生活習慣や体質を批判することと同じです。大人であれば、そのことを直感的に理解できるはず。多くの人が他人の体臭を注意しにくいと感じるのも、当然のことだといえます。

 

本人に指摘した方がよいのか

スメハラの原因でありながら、当人への注意はしにくい体臭。大人のメンズとしては、勇気を出して、同僚の体臭を指摘したほうがよいのでしょうか。正しい対処方法を見ていきましょう。

においの指摘は慎重に

先にも触れたように、体臭を指摘すると、相手は自分自身を批判されたと感じる可能性があります。このため、同僚へのにおいの指摘は、かなり慎重に行わなければなりません。 もしストレートに、「キミ、ちょっと臭いよ」などと言おうものなら、人間関係が悪化して職場の雰囲気も悪くなることでしょう。

また、当人が指摘を受け入れたとしても、体臭をすぐに解消できるとはかぎりません。というのも、体臭の原因が体質や病気である場合は、治療を受けないかぎり、においのもとを絶てないからです。 たとえば、「わきが」が体臭の原因であるケースを考えてみましょう。わきがは、腋(わき)を不潔にすることで起こるものではありません。 わきがの発生原因は、アポクリン腺という汗腺にあります。ごく簡潔にいうと、アポクリン腺が通常より活発に働く人が、わきがになるのです。 わきがを解消するには、定期的にボトックスという注射を打つか、外科手術を受ける必要があります。

こうした体質的な事情を抱えている可能性を考慮すると、体臭の指摘は安易に行うべきではないといえます。

まずは上司に相談

体臭の指摘には慎重を期するべきですが、だからといってにおいを我慢し続けるのも健全といえません。職場の同僚の体臭に耐えられないようであれば、まずは直属の上司に相談してみてください。 同じ部署にいる上司であれば、悩みの種である同僚の体臭について理解してくれるはずです。ただし、上司への相談は、体臭もちの同僚がいないところで行いましょう。可能であれば、上司と1対1になれる場所で相談するのがベストです。

…と、ここで1つ考えておきたいのが、体臭を放っている社員が直属の上司である場合の対応方法。このケースでは当然ながら、上司本人に「あなたが臭くて困っています」などと、相談することはできません。 上司の体臭がきつい場合は、その上司の直属の上司に相談するのが一番です。たとえば、係長のにおいが気になるのであれば、課長に相談するといった具合に、1つ上の立場にいる上司に相談を持ちかけましょう。

なお、職場で役職を持っている方は、ご自身が相談される立場になった場合のことも想定しておいてください。部下から同僚の体臭について相談されれば、上司としての的確な対処が求められます。

まず、本人に体臭のことを伝える際は、1対1で話しあえる場所を確保しなければなりません。体臭の指摘の仕方にも注意が必要です。「○○さんから相談されたんだけど…」といった感じで、個人名を出すことは避けましょう。 体臭をやんわりと指摘するには、テクニックが要ります。たとえば、普段の業績を褒めたうえで、「これから人の上に立つならエチケットにも気を配るべきだ」と伝えると、角が立ちません。体臭を指摘する立場に立ったら、相手の心情も考慮して、ワンクッションおいた伝え方を心がけてください。

会社全体での対策も必要

個人や部署の人間だけでは、体臭によるスメハラに対応しきれない場合があります。職場に体臭の強い社員が多数いる場合は、少人数では問題に対処しきれないことでしょう。こうしたケースでは、会社全体での対策を検討しなければなりません。

たとえば、ハラスメントに関するセミナーの開催は、会社単位での体臭対策として有効です。ただし、開催するセミナーの内容には、セクハラやパワハラといった、スメハラ以外のものも盛り込まなければなりません。 スメハラに的をしぼったセミナーを開くと、あざとい感じがしますし、体臭をもつ社員が抵抗を感じる可能性があります。セミナーはハラスメント全体を包括するものとして、その中でスメハラにも触れたほうが効果的です。

このほかの体臭対処法としては、社内企画の立ち上げが考えられます。たとえば「スメハラ対策週間」といった感じの企画を、会社単位で立ち上げてみてはいかがでしょうか。 会社全体の問題としてスメハラを取り上げれば、個人への指摘ととられることなく、体臭への配慮を示唆できます。こうした企画がきっかけで、自身の体臭に目を向けはじめる社員は多いことでしょう。

なお、どのようなスメハラ対策も、一度だけ集中して実施するのではなく、何度も繰り返し行うことが肝要です。同じ対策を繰り返すことで、スメハラが重要な問題であることを、社員に意識づけられます。

 

自分はスメハラしてない?不安な人は自分のにおいをチェック

職場の同僚の体臭は気になるものですが、ご自身のにおいについてはどうでしょうか。気付かないうちに、自分がスメハラしてしまっている場合もあります。もし、少しでもご自身の体臭が気になっているなら、ここでご紹介するセルフチェックを行ってみてください。

体臭のチェック方法

自分の体のにおいは、客観的に嗅ぐことが難しいものです。そこで試してほしいのが、入浴後に行うにおいのセルフチェック。実践方法は、入浴した後に当日着ていた服のにおいを嗅ぐだけと簡単です。 入浴によって嗅覚がリセットされることで、衣服についた自分のにおいを客観的に嗅げるようになります。セルフチェックで感じたにおいは、周囲の人が嗅いでいるものと同じだと思ってください。

口臭のチェック方

口臭のセルフチェックは、ビニール袋が1枚あれば簡単に行えます。まずビニール袋を広げて、そこへ息を吹き込んでください。 続いてすかさず、ビニール袋内のにおいを嗅ぎます。このとき「臭い!」と感じたら要注意。周囲の人は、その臭さ以上の不快さを感じている可能性があります。

なお、体臭や口臭の強さは、「エチケットチェッカー」によって調べることも可能です。エチケットチェッカーとは、においをセンサーでとらえて、数値化してくれるアイテム。 数字でにおいの強さを判別できれば、「自分ではわからないだけで臭いと思われているのでは…」と、疑心暗鬼にならずに済みます。エチケットチェッカーに興味のある方は、ネットショップで商品を検索してみてください。

 

まとめ

体臭は無意識に放たれるものであり、自分では制御できません。もし、職場に体臭のキツい社員がいたとしても、いきなり軽蔑したり、不潔のレッテルを貼ったりするのはナンセンスです。 エチケット違反をやんわり教えてあげることも、同僚としての務めといえます。今回解説した内容を参考にして、誰もにおいで悩まない職場環境を目指してください。