HARG(ハーグ)療法にはデメリットもある?

薄毛の人にとって、高い発毛効果が期待できるというHARG療法は期待の治療法です。薬を使う治療に比べて発毛のスピードが早く、植毛とは違い自分の髪が生えてくるというのも嬉しいポイントです。しかし、まだまだ知られていないことが多く、何かデメリットがあるのではないかと心配な人も多いと思います。

HARG療法のデメリットとは?

一見、メリットばかりに思えるHARG療法にもデメリットはあるのでしょうか?あるとすれば、それはどんなことなのでしょうか?

治療費用が高額

HARG療法のデメリットを考えるとき、最初に挙げられるのが治療費の高さです。

クリニックによって差はありますが、1回あたりの治療費は15〜18万円が相場。治療は月に1回、6回を1クールとするのが一般的で、早い人だと半年ほどで発毛を実感できるケースもあるといわれています。1年間(12回)治療を継続すると、トータルの出費は200万円前後になります。

これほどまで治療費が高いのは、HARG療法がiPS細胞などと同じ最先端の再生医療を応用した治療法だからです。ヨーロッパや韓国では多くの治療実績がありますが、国内ではまだまだ少ないのが現状です。また、薄毛はがんをはじめとする病気のように、生命に関わる問題ではないので、治療にかかる費用が高くなるのも仕方ないところでしょう。

痛みをともなう

HARG療法の治療は痛みをともなうのが難点です。痛みの感じ方には個人差がありますが、注射器で直接頭皮に成長因子を注入するので、それなりの痛みはあります。また、治療は平均すると40分程度かかります。

腕の注射に比べて、頭皮の注射はより痛みを感じるという人もいるでしょう。もっとも、治療は月に1回が基本なので、何とか我慢できる範囲と考えることもできます。どうしても痛みが我慢できないという場合には、麻酔が使われることもあります。ただし、麻酔の有無についてはクリニックによって異なります。治療を受けようという場合は、事前にしっかり確認しておきましょう。

効果が一気に出ない

HARG療法による治療を受けても、すぐに効果が実感できるわけではありません。前述のように、早いひとなら半年あたりで効果が現れ始めますが、人によってはさらに長期の治療継続が必要になるケースもあるでしょう。

1回あたりの治療費も高いので、効果が実感できないと、焦ってしまう人もいるかもしれません。ただし、他の薄毛治療でも即効性を期待できるものは少なく、プロペシアやミノキシジルといった薬を使った一般的な治療法でも、半年から1年以上の服用が必要です。どうしてもすぐに効果を実感したいという場合は、植毛を検討してみるのも一つの方法です。

 

デメリットより勝る?メリットも確認

ここまでHARG療法のデメリットを挙げてみました。しかし、最先端の薄毛治療といえるHARG療法には、他の治療法にはない多くのメリットがあることも事実です。

発毛効果が高い

HARG療法は、医療機関でのみ施術が行える治療法で、「Hair Re-generative therapy(毛髪再生医療)」の頭文字が治療法の名前となっています。体の幹細胞から成長因子を抽出して、それを直接頭皮に注入するというもので、海外ではその発毛効果が認められています。

幹細胞とは、皮膚や筋肉といった体の組織を作っていく細胞です。また、成長因子とは髪や肌の成長に関わる重要なホルモンのことで、これにビタミンB、タンパク質など毛母細胞を刺激する成分を加えたHARGカクテルを頭皮に注入します。HARGカクテルの成分は、活動を休止している毛母細胞に働きかけて、毛母細胞が本来持っていた髪を生やす働きを取り戻させることで発毛につなげます。

副作用の心配がない

多数の施術実績がある諸外国では、HARG療法の安全性が認められており、特筆すべき深刻な副作用は見当たらないというのが、この治療法の大きなメリットです。

HARGカクテルは特殊なフィルターでろ過してウイルスなどを取り除き、その上でガンマ線を当てて滅菌され、医療現場で用いられる加熱生物製剤と同等の安全性が確保されています。欧米やアジア諸国ではすでに数千もの臨床例があり、日本国内でも動物実験や臨床テストが行われて安全性が担保されています。

また、HARGカクテルにはアレルギー物質が含まれていないことが確認されているので、食物アレルギーのある人なども安心して治療を受けられます。一方、頭皮にHARGカクテルを直接注入するために、それほど高い頻度ではないものの、内出血が起こるケースがあります。クリニックでは、頭皮の血管に注射器が当たらないように細心の注意を払うとともに、頭皮を冷却しながら行うなど内出血対策が取られています。

また、HARGカクテルの注入法には、注射針を使うパピュール法、頭皮の表皮に注射するナパージュ法、レーザーで頭皮にごく小さな穴を開けてHARGカクテルを浸透させるフラクショナルレーザー法、極細の針がついたローラーを使うダーマローラー法があります。クリニックによって、採用している注入法が異なるので、事前によく相談しておくことが大切です。

 

どうしてもデメリットが気になるなら

HARG療法は発毛効果が高く、特筆すべき副作用も見当たりません。しかし、費用や痛みといったデメリットはあります。また国内での治療実績がまだ少ないので、不安という人もいると思います。

痛みや治療費が気になるなら薬での治療を検討

HARG療法の痛みが心配、費用がかかり過ぎるという場合は、一般的な薬を用いた治療を検討してみてください。

AGA(男性型脱毛症)の治療には、フィナステリドという有効成分を含む内服薬と、ミノキシジルという有効成分を含む外用薬が一般的に用いられています。フィナステリドは、AGAの原因とされるDHT(ジヒドロテストステロン)が作られるのを阻害する働きを持っており、「プロペシア」という薬が代表格です。

一方、ミノキシジルはもともと高血圧の治療のために開発されましたが、副作用で発毛が起こることがわかり、AGAの治療に活用されるようになりました。頭皮の血行をよくして、発毛を促す効果が期待でき、「ロゲイン」をはじめとする治療薬があります。

薬を用いた治療の場合、毎月1回の通院が基本で、ひと月あたりの治療費は2万円前後が相場。HARG療法と比べると断然リーズナブルです。ただし、割合は少ないながら副作用が報告されています。プロペシアの場合は、全体の0.5%に精力減退、肝機能障害などが見られ、ミノキシジル外用薬の場合は、かゆみや発疹、ごくまれに頭痛、めまい、息切れ、動機などが確かめられています。

即効性を求めるなら植毛を検討

1年〜1年半以上の継続した治療が必要はHARG療法に対して、施術を受けてすぐに効果を実感できるのが植毛です。植毛には自分の毛を用いる自毛植毛と、合成繊維で作られた毛髪を植える人工植毛があり、人工植毛は副作用が多く、アメリカでは禁止されている州もあるので、おすすめできません。

自毛植毛では、後頭部など髪の毛のある部分の毛を、ない部分へと移植します。自分の毛なので、拒絶反応が起こるなど副作用の心配が少なく、いったん毛根が定着すれば、長期的に髪が生え続けます。自分の髪の毛で、自然なスタイリングを楽しむことも可能です。また、植毛手術は基本的に日帰りで行われ、術後の定期的な通院も必要ありません。

ただし、薬剤による治療と比べると費用は高く、また一度に多くの出費を伴うことも事実です。クリニックによって差はありますが、額の生え際に1000〜1500本を植毛すると56〜74万円、頭頂部に1250〜2500本を植毛すると65〜110万円が相場です。また、植毛は外科手術なので、手術を受けるということに精神的、肉体的な負担を感じる人にはあまり向かない治療法といえるかもしれません。

 

まとめ

最先端の再生医療を応用したHARG療法は、高い発毛効果が期待でき、安全性も高い治療法として認められています。ただし、効果を実感できるまでに早い人でも1年程度の継続治療が必要で、費用が200万円を超えることが少なくありません。すぐに治療効果を実感した場合には自毛植毛、費用をできるだけ抑えたいなら内服薬や外用薬を用いた治療も検討してみるとよいでしょう。

もっとも、さまざまな治療法にはそれぞれメリット、デメリットがあります。薄毛治療に対して、何を最優先にするのかをしっかりと考えて、自分に合った治療法を選択することをおすすめします。