HARG療法とは? 治療内容と特徴

薄毛、抜け毛が気になる人たちから「HARG(ハーグ)療法」が注目されています。再生医療を応用した新しい薄毛の治療法ということで話題になっているのですが、まだ施術を受けた人は少なく、どんな治療が行われるのかについてはよく知られていません。そこで、HARG 療法とはどんな治療法なのか、どんなメリット・デメリットがあるのかなどについて調べてみました。

HARG療法ってどんなもの?

HARG療法という名前や最先端の治療というイメージばかりが先行していますが、いったいどのような治療法なのでしょうか?

最新の毛髪再生医療が「HARG療法」

HARG療法は「Hair Re-generative Therapy(毛髪再生療法)」の頭文字をとったもので、その名の通り薄くなってしまったり、抜けてしまったりした髪の毛の再生を目指すというものです。iPS細胞などと同じく、細胞を使って組織を作る再生医療を薄毛治療に応用したもので、細胞から抽出した成長因子と呼ばれるホルモンを頭皮に注射して、髪を作り育てるという本来の働きを休止している毛母細胞を目覚めさせます。

以前は再生医療の理論は、髪の毛などの体の外にある部位には適用できないと考えられていました。しかし、福岡大太朗という日本人医師が再生医療の薄毛治療への展開を実現し、HARG療法が開発されました。外

科的な手術や日々の投薬が不要で、個人差はあるものの、治療を受けた人の多くに、半年から1年のあいだに発毛が確認できるといわれています。また、いったん毛母細胞が働き始めると、自毛が継続的に伸びるようになり、ヘアカットをする、自分の髪でヘアスタイルを楽しむといったことも可能になります。

HARG療法で発毛するメカニズム

HARG療法は、休止している毛母細胞を刺激して目覚めさせ、髪を生やす機能を取り戻させることをめざします。

髪の毛には髪が伸びる成長期、成長が止まる退行期、髪が抜けて次の髪を生やすための準備をする休止期というサイクルがあります。このサイクルは髪の毛1本ごとに異なるため、髪の量はほぼ一定に保たれています。しかし、何らかの要因でこのサイクルが乱れて、成長期が短くなったり、休止期が長くなったりすると、十分に成長する髪が少なくなって薄毛が目立つようになります。

HARG療法では、皮膚や筋肉を作る幹細胞から成長因と呼ばれる成長ホルモンを抽出して、この成長因子に髪を作る毛母細胞を刺激する成分を加えたHARGカクテルを頭皮に注入します。成長因子は毛母細胞を休止状態から蘇らせ、さらにHARGカクテルに含まれる成分が毛母細胞の髪に栄養を送る働きを活発化させることで、元気な髪が再び育つようになります。施術を重ねて毛母細胞の働きが安定すれば、長期的に丈夫で元気な髪が生えてくるようになります。

 

HARG療法の特徴・メリット

HARG療法は、成長因子を頭皮に注入することで、毛母細胞の髪を作り、育てるという自然な働きを取り戻させます。他の薄毛治療とはメカニズムも治療の方法も異なり、さまざまなメリットが期待できます。

発毛効果が高い

HARG療法の最大の特徴は、高い発毛効果が期待できるということです。個人差はあるものの、HARG療法を受けたほぼ全員に、発毛が認められています。

こうした高い治療効果を実現しているのが、幹細胞から抽出される成長因子です。とりわけ、重要な役割をはたしているのがKGFと呼ばれる成長因子で、髪の毛を作るタンパク質をひとつ、ケラチンを作る毛母細胞を直接刺激してその働きを回復させます。頭皮に注入されるHARGカクテルに、このKGFが豊富に含まれているため、HARG療法は高い治療効果を実現できるのです。

安全性が高い

安全性の高さもHARG療法の大きなメリットです。

HARGカクテルの成分は特殊なフィルターでろ過された後、ガンマ線で滅菌処理をされており、医療現場で使われる生物製剤と同等の安全性が保証されています。また、アレルギーを起こす物質も含まれていないことが確認されています。

欧米やアジア諸国ではすでに数千もの臨床例がありますが、副作用の報告はなく、国内でも動物実験、2007年からは臨床テストが行われて、その安全性が確かめられています。さらに、施術を行えるのは、HARG療法の開発者が会長を勤める研究会の講義を受講し、認定証を発行された医療機関のみで、高い安全性が担保されています。

ただし、HARG療法にともなう副作用として唯一報告されているのが、頭皮にHARGカクテルを注入する際に起こる内出血。頻度は決して高くないものの、施術を行う医療機関では、頭皮を冷却して施術する、複数の注入方法を選択できるようにするといった取り組みが実践されています。

 

HARG療法にはデメリットもある

高い発毛効果が期待でき、安全性が高いHARG療法にも、いくつかのデメリットはあります。

痛みをともなう

HARGカクテルを直接頭皮に注入するので、施術時に痛みをともなうのがHARG療法のデメリットです。必要な治療の頻度は月1回程度とさほど高くないので、月に一度なら痛みに耐えるという人が多数派ですが、どうしても我慢できないという場合は麻酔が使われることもあります。ただし、麻酔を適用するかどうかは医療機関によって方針が異なるので、治療を受ける際には事前にしっかりと確かめておきましょう。

注入には主に注射器が用いられますが、レーザーで小さな穴を開けて浸透させる方法や、小さな針のついた医療用ローラー使う方法などもあるので、施術を受けようと思う医療機関がどんな注入法を採用しているのかも、事前にチェックしておくと安心です。

数回施術を受ける必要がある

いくら治療効果の高いHARG療法でも、施術を受けてすぐに効果が現れるわけではありません。一般に治療は月に一度のペースで行われ、半年6回を1クールとしている医療機関が大半です。

治療開始時の頭髪、頭皮の状態になどにより一概にはいえませんが、半年6回で終了する人もいれば、3クールで発毛効果を実感できるという人もいます。薄毛の進行が初期の人ほど早く効果を実感できるので、治療回数を少なくするためには、早めに治療を始めるのが賢明です。

 

HARG療法の費用・回数の目安

HARG療法を受けてみたい、興味があるという人のために、費用の相場や治療回数の目安を紹介しましょう。

HARG療法の費用

HARG療法の費用は1回あたり、15〜18万円が相場です。月に一度施術を受けるとして、2クール(12回)治療を継続すると、180〜216万円の費用が必要になります。一度にすべて支払うというわけではありませんが、やはり相当な額になるので、じっくりお財布と相談して決めることが大切です。

HARG療法の回数・期間

発毛効果が認められるまでに必要な施術の回数は、前の項でも解説したように、治療開始時の頭皮、頭髪の状態などによって個人差が大きいのが現状です。毛髪の成長サイクルが正常に戻った段階で施術は終了となりますが、1クール目の後半で早くも発毛効果が現れ始めて6カ月で治療が終了というひとがいる一方で、2クール(1年間)の治療継続が必要な人やそれ以上の継続が必要な人もいます。医療機関では施術ごとに症状を確認して、それをもとに以降の治療計画を立てるという方式を採用しているところが多く、その人の状態に見合った治療回数を提案してもらえます。

なお、施術の頻度は月に一度が基本ですが、当初は3〜4週間に一度という比較的短い周期で治療を開始し、一定の効果が現れてきたら8週間に一度という具合にインターバルを長く取るというパターンをすすめている医療機関もあります。必要な回数の施術が終了すると、2カ月後に再び状態を確認。問題がなければ、その時点で施術は終了となります。場合によっては、追加の治療や自宅でのフォローアップが必要になるケースもあります。

 

まとめ

HARG療法は最先端の再生医療を薄毛治療に応用した治療法です。幹細胞から成長因子を取り出し、それに髪を生やす毛母細胞を刺激する成分を加えたHARGカクテルを表皮に直接注入。成長因子やさまざまな成分が、髪を作り、育てるという役割を休止している毛母細胞に働きかけて、機能を取り戻させます。治療後半年で発毛効果が見られるなど効果が高く、副作用もほぼ認められないなど安全性も保証されているのが特徴です。

ただし、痛みを伴う、治療費が高額になるケースが多いといったデメリットもあるので、治療を受ける際には医療機関とよく相談することをおすすめします。